電動伝奇堂のシナリオの書き方。

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電動伝奇堂さんのコラム:01、02、03、シナリオの書き方
●はじめに
世の中には色々と甘く考えている人が結構います。
シナリオに関してもそうです。
小説どころかラノベも読まない。
でも日本語さえ書ければシナリオなんて誰にでも書けるだろ。
お客様の中にお医者様とそう考えている方はいらっしゃいませんか?
甘い。
甘すぎます。
自分で釣ったフグを免許もなしに捌いて
「たぶん大丈夫だろう」と食べて痙攣してる機長くらい甘いです。
そんな考えでシナリオが書けると思いますか?
はい、書けます。
そんな甘い考えでシナリオを書き始めた人間が
実際にどうやってシナリオを書いたか。
この機が墜落しなければ伝えようと思います。
●演繹的ではなく帰納的に
運良くどこかの無人島に流れ着いたので
ボトルに入れる手紙に「Help me!!」と書くついでに
シナリオの書き方も記そうと思います。
自分はシナリオを書き始める時にずぶの素人でした。
なので当然すらすらと物語を書くなんて芸当出来ませんし
フグの調理師免許も持ってません。
機長には悪いことをしました。
本当は僕がフグを捌いたんです。
それはさておき長編シナリオをさっきから垂れ流してる
別に本当は起こってない飛行機事故の話のように
思いつきだけで書ききることなんて出来ません。
飛行機事故の話ですらなんかもう行き詰まってる上に
正直書くのに飽きてます。
なので自分の天才性に自信がなかったり
アドリブ苦手なタイプはまずゴールを決めましょう。
ゴールと言っても
華麗なフットワークで次々と相手選手を抜き去り
黄金の右でシュート!! ゴール!!
おー、このゴール決めた選手すごいなぁ……
ん? あれこの人って機長!? 生きてたの!?
のゴールではなく物語の結末という意味のゴールです。
機長も無事生きてたことですし、彼に復讐される前に
さっさと物語の結末だけ先に決めてしまいましょう。
●最終目標とチェックポイント作り
とにもかくにも物語の最終目標を作りましょう。
あまり複雑ではなくシンプルかつ明快な目標がいいです。
「女の子と付き合う」でもいいですし
「強い敵を倒す」なんかもバトルものの定番です。
「刑務所から脱獄する」「犯人を見つける」「復讐を果たす」
などなど、だいたい10文字以内でハッキリ表せる目標がよいです。
こうやって明確な物語のゴール地点を設定しておけば
いつの間にか機長と自分の激しい能力バトルものになったような
わけのわからない迷走をしないで済みます。
ですが当然、これだけ決めてもシナリオは書けません。
なので途中で必ず通るべきチェックポイントを決めましょう。
そしてそのチェックポイントの途中に新たにチェックポイントを入れれば
話を好きなだけ膨らませられますし、サイズ調整もしやすいです。
例えば「機長を倒す」が最終目標にして物語を作りましょう。
スタート
↓
機長を倒す(ゴール)
これだけならシンプルすぎるので
途中に「武器を手に入れる」ってチェックポイントを入れましょう。
スタート
↓
(機長を倒すために)武器を手に入れる
↓
機長を倒す(ゴール)
さらに話を膨らませるなら始まりから「武器を手に入れる」の間に
「武器が高価なのでそのための金を稼ぐ」と
新たなチェックポイントを追加出来ます。
スタート
↓
(武器を買うための)お金を稼ぐ
↓
(機長を倒すために)武器を手に入れる
↓
機長を倒す
チェックポイントは好きな位置にいくらでも入れられます。
この方法の良いところは結末が先にわかっているので
伏線を入れやすくまた物語の長さを調節しやすいです。
どのくらい細かくチェックポイントを入れるかは人それぞれです。
僕の場合はとうとう機長が大宇宙銀河皇帝になって
地球へ向かって大軍勢を差し向けしまうくらい
好きに書かせたらすぐに迷走しいてしまうタイプなので
だいたい原稿用紙1?5枚前後程度ごとに
もっと徹底してる時はキャラの行動1つ1つに
チェックポイントを設定してそれを通過するよう
かなり事細かにガチガチに物語を構成しておきます。
それだけ細かに決めれば絶対に迷走しませんし
文章に書き慣れてない人間でも書くべきことに迷いません。
そして意外なことですが
この書き方の方がアドリブが効きやすいのです。
目指すべきところがハッキリわかっているゆえに
ちょっと寄り道(アドリブ)してもすぐ本筋に戻れます。
そのまま道に迷ってしまったりはしません。
●最後に
ここで書いたやり方はあくまでシナリオの「書き方」でしかありません。
大切なのはシナリオを書くことそのものではなく
そのシナリオを読んだ人の心に何かが生まれることなのです。
人の心に何も生まれないなら、無感動ならば
どれだけ構成がよく練られ素晴らしい文章で綴られていようと
それはただの魂のない文字の羅列にすぎません。
僕の失敗ですが、個人的には見事な伏線どんでん返しが出来ました。
そのシナリオを友人の機長に読ませた時
「どんでん返しに甘えてそこに至るまでの話が全く面白くない」
と言われました。
たしかにどんでん返しをするために
そしてそれに納得を持たせる伏線を張ることばかり考え
それまでのシナリオ自体には人を楽しませるという感覚が
完全にすっぽり抜けていたのです。
機長の正論は心に響きました。
でもムカついたんでフグを食わせてやりました。
その結果、宇宙を巻き込む大戦争になるなんて…
それはさておおきシナリオは人を楽しませてなんぼなのです。
なのでテクニックや書くこと自体にとらわれ
読んでくれる人を楽しませるという基本的なことを忘れないようにしましょう。
もちろん書いている本人も楽しむことを忘れてはいけません。
最後に。
今回のコラムは練習にライブ感だけで書いてみました。
そもそも機長なんて登場させるつもりありませんでした。
オチをブン投げる気ならまぁこのやり方もまたアリです。
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フルボイスでめっちゃ動く、オリジナル中華風現代伝奇ノベルゲーム「キョンシー×タオシー」の制作者さん。序盤の迷走から、何故キョンシーなのか?など、様々なお話を頂いております。
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ツクールを使ってのゲーム制作者、通称「ツクラー」の端くれです。ツクール歴は20年を迎え、個人制作作品は今現在12作品公開させていただいております。複数の方との共同制作、いわゆるコラボ作品「格ツクコンチェルト プロジェクト2D」や「ツクール×スクール」なども制作させて頂きました。
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ゲームシナリオライター、小説家です。アホほど分岐の多い、陰気なテキスト系ゲームを制作しています。陰気、分岐、青春を目指しています。