丹下さんのコラム 27

「ゆるゲ部」 代表 丹下さんの連載コラム - 第27弾



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作品:真・丹下学園物語 本章丹下学園物語
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シナリオの書き方/考え方
質問のリクエストを纏めて聞いてみました


※ ご注意 ※ 「すごく大変なんだな」 と誤解させてしまうと マズイと思うので(゚ε゚; そんな事はないのです。 自分には、辛い経験をした記憶がありません。 面白さを意識してネタ的に書いていますので、 真剣に受け止めずに笑って貰えるなら嬉しいです。 深刻な話は一切ないし、おもしろハゲのネタ話として 楽しんで欲しいですし、書いた甲斐があるのです。
●前回までのあらすじ サウンド担当さんがやって来た。 シナリオに終わりが見えたし、 何も問題ない状態。
●別れの時 そこは病室でした。自分はベッドに横にされて 点滴を打っていた為、身動きが取れません。 この状況になる事は、身に覚えがありました。 いつかこの病気が来る事は、分かっていたのです。 かつて自分の兄もこの病気にやられました。 遺伝的な体質も関係すると言われていたので、 自分もいずれ同じ道を辿る事は覚悟していたのです。 看護士さんからは、落ち着いたらCTを撮るとだけ 伝えられました。そこで、その前に許可をもらい、 スマホを使わせて貰いました。 スマホからskypeにログインすると、あすかさんが オンライン状態でした。きっと頑張ってシナリオを 書いているのでしょう。 自分はすぐ、メッセージを投げました。 丹下 「病院からなんだけど、すまん。 もしかしたら、もう戻れないかもしれん」 あすか 「病院?どうしたの?」 丹下 「もし俺が、1週間経っても開発に姿を 現さなかったら、残りの部分を頼むよ。 ごめん、最後まで書けてなくて」 あすか 「やだよー、それより早く戻って来てね」 あすかさんの反応は当然です。終わりが見えている とはいえ、まだ自分のシナリオも途中なのだから、 他の作業まで担当したいとは思わないでしょう。 ですが、自分が戻るのを待ってはいけない。 そう思いました。 丹下 「それはダメだよ。自分が戻らなかった時は、 すぐに俺をサークルから除名して欲しいんだ」 あすか 「なんで!?」 突然の話に、あすかさんが少し戸惑っているのが 感じられました。ですが自分は、構わずに話を 続けます。 丹下 「その時は、あすかさんがオーナーになるしか ないと思う」 あすか 「どうしてそうなるの? 別にいいよ、 待ってるよ!」 丹下 「いや、今このタイミングで動きを止めるのは デメリットが大き過ぎるから」 ゴールは見えているのです。ここで立ち止まるのは、 あまりにも負の影響が大きすぎると思いました。 ここまで、1年以上かかっているのです。 そして、みんなには何度も延期を経験させてしまい ました。そして、やっと今の状態まで来たのです。 今ここで停滞する事で、もしもみんなの心が折れて しまったら……? それに、自分が戻れるとは限らないのです。 開発がダメになってしまったら、 それまでみんながしてきた作業は何だったのか? それだけは回避しなければなりません。 丹下 「今のタイミングは、もう走り抜けるしか ないよ。動けない人間を待ったらキリが無い」 それは、自分が日頃から言っていた事でした。 「ステージから降りた人をアテにするな」 一度座ったら、立ち上がるには倍の力が必要に なります。今までに 「少し休みを貰います」 と いって、戻って来てくれた人がいたでしょうか? 「誰一人として戻らなかった」 その事は、あすかさんも十分理解しているはずです。 今こそ、その経験を生かして、ここで冷静な判断を して欲しいと思いました。 あすか 「でもオーナーは大丈夫でしょ? 戻って来るんだから問題ないよ!」 丹下 「それを1週間で判断して欲しいって事さ」 もし、二度と戻らない人間の名前がサークル上に 残っていて、しかもそれがオーナーだったとしたら。 それは確実に、組織開発上の不整合、デメリットに なります。 開発には、実質的な責任者が必要なのです。 いたずらに、責任者不在の期間を作っては いけません。それに、自分の名前が残っていたら、 新しいオーナーにとっては邪魔になります。 丹下 「俺がいなくても心配ないよ、あとは 立ち止まらずに進めれば、必ず完成するからさ」 これは気休めではなく、本当の事でした。 その事は、あすかさんも実感できているはずです。 ですが、あすかさんは思わぬ言葉を口にしました。 あすか 「そんな事を言ってるんじゃないよ。 開発なんて、どうでもいいよ……」 「夢が叶って嬉しい」 あすかさんは、そう言っていたはずです。 なのに突然 「どうでもいい」 と言ったのです。 あすか 「もういいよ、そこまでしないとダメなら、 開発なんてダメになっていいよ!」 自分が想像さえしていなかった言葉に、思わず 目を疑いました。ですが思い直して、すぐに 諭します。 丹下 「今のは、聞かなかった事にするから。 そういう事は二度と口にしたらダメだよ」 あすか 「でもオーナーを除名するなんて嫌だよ。 それに自分が、人を動かすのも無理だよ……」 たしかに、いきなりこんな話をされたら、 誰でも慌てるとは思います。ですが、この件は あすかさんにしか頼めないと思いました。 自分には、その根拠があったのです。 丹下 「今のメンバーの中で、人を動かした 実績があるのは、あすかさんだけだから」 あすか 「そんな経験ないよ」 丹下 「いや。こうして俺を動かしたじゃないか」 あすか 「え……?」 自分は希望して、この開発の場に来たわけでは ありません。思い返せば、自分を動かしたのは 紛れもなく、あすかさんでした。自分は元々、 同人という世界に存在する事がなかったであろう 人間なのです。元の場所に帰る、それだけです。 きっと上手く行く。このチームなら、もう 自分がいなくても完成させられるはずです。 ただし、このまま立ち止まらずに、走り抜ける事が 出来るならば……。 ここで無駄なリスクを背負って欲しくない。 そう思いました。 あすか 「わかったよ。でも、オラ待ってるから。 みんなだって、ずっとずっと待ってるよ……」 その言葉に自分は、何も返信できませんでした。 それまで、誰にどんな言葉を言われても、必ず 理論で返して来ましたが……。 その時、自分は初めて逃げました。何も答えず、 そのままskypeを閉じたのです。 「待ってるよ」 そのたった一言に、自分は言い負かされました。 それは自分にとって、理屈を越えた言葉にさえ 思えたのです。 「悪くない言葉だな」 ただ素直に、そう思いました。 自分には分かっていました。もう自分が、 あの場に戻る事はないであろう事が……。 それまで、仕事とサークルでの開発を並行する為に、 かなりの睡眠時間を削る事になりました。それは 少しずつ、でも確実に病気の進行を早める事に なったのです。 自分はもう若くないです。ほんの少しだけ、 自分の想定より早かった。それだけの事です。 自分のシナリオは未完でしたが、心配はありません。 あすかさんが書いてくれるはずです。どんな結末に するのかは、伝える事が出来ませんでしたが……。 自分が書こうとしていた、 ヒロインの未来。 あすかさんなら、きっと自分が思い描き、そして 書ききれなかったものと同じ結末を書いてくれる はずです。だから何も心配はいりません。 自分はその夜、夢を見ました。 それは、何も特別ではない光景。何も変わらず、 普通に開発をしているだけの、つまらない夢です。 ですが……。 もしかしたら、そこは自分にとって、 大切な場所だったのかもしれません。 それが、長い闘病生活の始まりでした。
●座薬とシナリオと。 なんてやり取りは一切ありませんでした! なワケねえよなぁ?みたいな(゚ε゚ )hahaha いやあの、ノリでスラスラと書けちゃって、 無駄に長くなっちゃった、みたいな……(゚ε゚; で。 あすかさんとのやり取り以外は本当の事です。 自分は「職場で激痛で倒れて病院行き」そして 「長い闘病生活」 という状態になりました。 恐ろしい病、その病名は……! 「尿路結石 」 おい、ただの石かよ!Σ(゚ε゚ ) そう思われるかもしれませんが、コイツはかなり、 ヤバイです。マジでヤバイ超ヤバイ。命には別状 ないものの、 「痛みにより失神する人さえいる」 と 言われています。言うなれば 「死なないけれど すごく痛い病気」 です。 自分の場合は1日2回程度、発作的に猛烈な痛みに 襲われました。これはもう、はっきりいって シナリオどころじゃねえ!(゚ε゚; 普段も 「何となく痛いような気がする?」 という 状態。通常時は動けないわけではありませんが、 何事にも集中できない感じです。 その痛みは大袈裟でなく、それまでの人生で 初めて経験するものでした。しかも石が自然排出 されるまでには、実に半年間もかかったのです。 その痛みを日々、薬で凌いでいました。 丹下 「って状況で、もうね……」 あすか 「え?座薬使ってるの? やだな?」 好きで使ってるんじゃ ねえよ(^ε^ ) 完成まであと少しです。ここで停滞する事は、 絶対に避けなければなりません。 痛みを騙し騙しで、作業を続けました。 (つづく)

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