夢幻台さんのコラム 02

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●実は完成にこだわっていない作者さんは多い

このコラムを読む上で、前提となっていることがあります。
前述の通りこのコラムは「ゲームを完成させたいんだけど、どうしてもいつも挫折しちゃう。でも出来る事なら自分だってゲームを完成させたい。

出来はともかく、安定して完成させられている夢幻台は、どういう考え方で制作しているのか」について書かせていただくわけですが、その前に「ゲームを作る目的の中に「完成」が『本当に』あるか？」を自分自身にご確認いただきたいと思います。

ゲームを完成させたいんだけど何だか途中で挫折しちゃう、通称「エターナラー」と呼ばれる方の制作日記やブログをよくよく見てみると、完成させたいと言っている割には、実はゲーム制作の目的の中に「完成」が無い、もしくはあるのだけれど二の次、三の次になっている方が少なからずいらっしゃいます。

「納得いくまでは公開しない」「ここは譲れない、妥協しない」といった強い意志も結構ではあるのですが、正直それは完成を遠のける要因にもなり得る…ということは頭に入れておいていただければと思います。

もし「完成」が本当にあるか？と聞かれ、よくよく考えた結果、自信をもってイエスと言えないなら…

たとえば、「よくよく考えたらゲームを作る過程の方が楽しくて、完成にはこだわってなかった」とか「よくよく考えたら自作戦闘とか、スクリプトとか、シナリオとか、顔イラストとか、モーションとか、必殺技とか、システムとか、自分の好きな部分だけ作れていればそれでいい」とか「納得の出来ないものを公開するくらいなら、公開を先延ばし、もしくは公開中止にしてでも妥協したくない」、さらには「完成、完成とこだわるのは完成できてない自分に対しての当てつけのようで不愉快」という事であれば、正直このコラムを読むことはオススメできません。

「何で完成できないんだろう」と聞かれれば「そもそも完成させる気がないのだから、完成できないのはある意味当然」となるのも仕方のないことだと思っています。

●完成させたいなら「完成」の優先順位を高く

どうしてここまで書くのかというと、それは私（夢幻台）自身が「作品は『完成』させてこそ！」という強いこだわりがあるからで、そのこだわりこそが完成への強い原動力になっていると思うからです。

もちろん私のゲーム制作の目的には「より多くの方に自分の作品をプレイしてもらいたい」というものもありますが、そこで言う「作品」も言い換えれば「完成品」であることにはこだわっています。ゲーム制作において「完成」が全てでは無いのは承知の上ですが、このコラムは「ゲーム完成学」なので、「完成」を重視した書き方をさせていただきます。

どうでしょう？
自分のゲーム制作の目的に「完成」は『本当に』ありましたでしょうか？「よくよく考えてみる」が案外重要です。ぼんやりと完成できればいいな…程度に考えていると、いざ完成に向けて作りだしたときに前述のような制作の一部分に目が行き過ぎて完成が二の次…三の次、結局『完成』の気持ちはどこかへ行ってしまったのではないか、ということになりかねません。

「完成させたいと思っていた（思い込んでいた）けど、よくよく考えたら完成がすべてじゃないし…」、となられたのであれば、もちろんその考えを尊重いたしますし、それに沿って制作していいと思います。よくよく考えてみて「それでもやっぱり完成させたい！」と思ったのであれば、それこそが完成への大きな原動力となります。

本当に完成させたいのであれば「完成の優先順位を高く」そして、本当の完成までその気持ちを持ち続けていただくことが大事であることを強調したいと思っております。　

（つづく）

※オマケ