夢幻台さんのコラム 06



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●「こだわり」の『落とし穴』

 ゲーム制作が頓挫する、いわゆる「エターなる」という言葉がいつの頃からか使われています。では「完成しない原因」は何でしょうか?実力が足りない?やる気が足りない?アイデアが無い?
いろいろ考えられますが果たしてそうでしょうか?個人的な見解ですが正直、自分(夢幻台)より実力やセンスが劣るツクラーさんは探す方が難しいと思っています。では何故完成できる・できないの差がつくのか。その一つが「こだわり」であると思うのです。今回はゲーム完成の可否にまで関わるその「こだわりの落とし穴」について考えていきましょう。




●どんなに時間をかけて作ったイベントや設定でも変更になることはある

 物凄く時間をかけて構想を練ったのだから、これでイベントは盤石…とはいかないことがあります。規模が大きくなればなるほど「どんなに時間をかけて作ったイベントや設定でも変更になることはある」のです。そういうこともあって前回お話した通り、自分の制作スタイルにおいて、制作完成度を止めてまで1つのイベントに長い時間をかけて作ることは実はあまりありません。理由としては前回「早く完成の型を作れた方がその後の制作がやりやすい」と話しましたが実はもう一つ「凝り固まって変更しにくくなるのが怖い」という理由もあります。

 そのイベント単体で見れば完璧なイベントでも、シナリオ全体を見てみたら矛盾していたとか、実際にツクールに入れ込んでみたらしっくり来なかった…ということはあり得ます。特に型を先に作らないで、最初のイベントで数か月、次のイベントで数か月…と作っていくと後半(場合によっては中盤)で、完璧だったと思われた最初のイベントに「ん?」と思う部分が出てくることも。

 この「完璧だと思っていたイベントの違和感」は制作期間が長くなればなるほど出てくるリスクが高いと思います。最初に作り始めた時と後半(場合によっては中盤)の頃では年単位で時間が経過していますので、その中で全体の型を作らずに(作っていたとしても)、当初からブレずに作品を作り続けるというのはなかなか難しいことだと思っています。格闘ゲームであれば「イベント」を「キャラ」に置き換えてみてもいいでしょう。最初のキャラと後の方のキャラで年単位で時間差があれば絵柄などの差に違和感が出てくるのはある意味必然とも言えるかもしれません。

 そして「時間をかけて作ったものほど、変更には時間的にも精神的にも負担がかかる」のではないでしょうか。前回の話と被りますが、大体で作っていれば、後で修正が必要になったとしても「変えてもいいや、どうせ『大体』で作ったものだし」と簡単に言えるものが、時間をかけていると「あれだけ時間をかけて作った設定を変えるなんてとんでもない!」となるのではないでしょうか。
さらに厄介なのがその違和感が連鎖する場合。例として格闘ゲームのキャラクターを挙げましょう。


○1キャラをすごく時間をかけて作る
 ↓
 それを4キャラしたあたりで年数が経ち、最初のキャラとの絵柄の差に違和感が出てくる
 ↓
 違和感に耐えられず最初のキャラを描き直し
 ↓
 最初のキャラを描きなおす頃には2キャラ目にも違和感が出てきたので描き直し(違和感の連鎖)
 ↓
 結局3・4キャラ目にも違和感を感じ、それに耐えきれず描き直し(さらなる違和感の連鎖)
 ↓
 全キャラ描き直しが終わった時点で新キャラとなる5キャラ目を描き始める
 ↓
 7キャラ目あたりでまた最初のキャラとの絵柄の差に違和感が出てくる
 ↓
 違和感に耐えられず最初のキャラ2回目の描き直し…


 もし、描き直しをせず、描き直しの部分も新キャラに当てていたならどうなっていたでしょう?計算上では上記、最初のキャラ2回目の描き直しの時点でキャラ絵は12キャラ分描いています。キャラ数12キャラであればもう完成までたどり着いている勢いですね。ところが上記のループではそのままの勢いで行くと10キャラ目あたりで最初のキャラは3回目の描き直しをする勢い…これではいつ完成するのかすら見えてきません。「完成」が目的でないならもちろんそれで構わないですが…。RPG制作で言うならば「キャラ」のところを「イベント」に置き換えてみていいでしょう。

 余談ですが夢幻台作品「カレンダーパーティー?4season?」の場合、1キャラにかけた時間は1週間かかったか、かからなかったか、そんなレベルです。もちろんそれは前作までのデータがあったからこそで、前作から引き続きのキャラに至っては絵はそのまま使用しています。それでも1キャラ1週間として半年以上、新キャラはより時間がかかりますし、キャラのほかにゲーム周りやバランス調整などもやりましたので、結果として完成には1年以上を要しました。これでもし途中で「絵の描き直し」をしていたら完成はどうなっていたのか…考えただけで恐ろしいです。




●「譲れないこだわり」と「完成のための妥協」を天秤にかける

 一度は終わりまで作った、いわゆる「型」を作った後であればともかく、制作途中において最初のキャラやイベントの洗い直し…というのは、「完成」からは遠ざかってしまうことになる行為です。それでも手直しは譲れない…という方はこのコラム第1回まで戻って「完成」の優先順位は高いかどうかをもう一度確認してみましょう。「完成」の優先順位が高ければ、直したいのは山々だけど目的は「完成」、そのためなら多少の妥協は受け入れる、となるのではないでしょうか。最初のイベントの手直しのつもりが、「完成させたい」という最初の気持ちの手直し=完成よりこだわり重視、になってしまわないように注意が必要です。

 でもゲーム制作者さんの中にはどうしても妥協できない、妥協したくない、妥協は苦手なんだ…と言う言葉とともに、完成のために必要な妥協であってもできない、しない方々が少なからずいらっしゃるように感じます。いざ「譲れないこだわり」と「完成のための妥協」を天秤にかけた時、妥協したくないがために高かったはずの完成の優先順位が落ち、こだわりを優先させてしまう…。
【たとえそれが完成しないことを決定づけることになったとしても】

 これが自分の考える「こだわりの落とし穴」です。そこにある事が分かっているのにどうしても避けたくない、避けるくらいなら…と自ら落ちに行ってしまう、恐ろしい落とし穴です。何か人を引き付ける魔力でもあるのかと思うくらいの…。

 第1回を読んでいた頃には「自分は完成の優先順位を高く作っている」と思っていた方でも、そのためにこだわりを捨て、妥協しなければならないこともある、と知ると途端に完成の優先順位がこだわりに負けてしまった…という方もいるのではないでしょうか。こだわることは本来いいことで自分も「完成」にはこだわっている手前、こだわりが全て悪いとまでは言えませんが、こと完成を意識した場合、こだわり方を間違えるとそれが思わぬ落とし穴となってはまってしまうことは実は多いのです。

 さらに、作者サイドから見ると素晴らしいこだわりでも、ユーザーサイドから見ると「こだわりはいいから早くプレイさせてほしい、完成させてほしい」ということもあり得ます。
ここは自分が完成と並んで重要視している「多くの方にプレイしてもらいたい」場合に必須のユーザーを意識した作り方とも関連してきますので、そのあたりを次回で詳しく説明できれば…と思っております。


(つづく)




「カレンダーパーティー?4season?」旧キャラの絵を描き直すという選択肢もありました。でも目標はあくまで「完成」、もし旧キャラ25キャラ分を描き直していたら完成は無かったかもしれません。




※オマケ



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