シナリオの書き方:FooL Keyさん

シナリオの書き方:Fool Key

作者様:ホームページブログTwitter
作品:クレアンクロスケルティックチルドレン(インタビュー付き)
FooLさん:シナリオの書き方、ゲームを作る切欠、初心者の頃…。




●はじめに

FooLというブランド名で主にRPGツクールでRPGを製作、公開しています。ゲームを製作する上で何か学んだわけでもなく、完成させた作品に満足をした事もありません。初心者の方向けの文章ですが、読み物の一つとして見て頂ければ幸いです。




●ゲームを作る切欠

子供の頃から市販のゲームを遊んでいくうちに、ゲームに対する見方が変わっていきました。このキャラをあのキャラに変えてみたらどうなるだろう?このゲームの舞台を別の世界に変えたら、シナリオも変わっていくのだろうか?自分が遊んできたゲームの断片を組み合わせる事が出来たら、無数に楽しみが広がるんじゃないだろうか?

この思い付きを実現できることが「ゲームを作る」という事だと考えつきました。




●初心者の頃

ゲーム「には」なっている。
手探り状態で作り始めたものは、思ったよりも簡単に形になりそうな気がしました。ゲームを作るって以外と簡単なんじゃないか?思い描いていた様々な時代を行き来しよう、多くのキャラクターを登場させて壮大な物語にしよう。作品に対する妄想は止まりません。

しかし、作業を進めていくうちにやがて物足りなさを感じました。私の作りたいゲームに至る為には、グラフィックがどうしても足りなかったのです。

私が初心者だった当時は今程素材が少なく、使える物は何でも使いましたが、思い描く世界を彩るためには圧倒的に素材が足りない。たとえば、用意された素材である『中世の衣服を着たグラフィックのキャラクター』は、自分の思い描く『近未来の世界観』にはふさわしくない。世界観とキャラクターのグラフィックがアンマッチ過ぎて違和感を持つのです。

しかし、そこでまごついていても理想のものは完成しません。ペイントソフトを開き、理想とするグラフィックを求めて初めてドット絵を描いてみました。

ペイントどころか、紙に絵も描いたことの無かった初心者の私が製作したドット絵の動きやエフェクト等は、当時の素材と比較してもおよそ綺麗な物ではありませんでしたが、不恰好でも『近未来の世界観を想定した自作のキャラクターグラフィック』の完成で、抱いていた違和感は消えました。

絵に限らず、局所で発生する違和感を拭い去るため試行錯誤した結果、1年以上かけても初めてのゲームは完成する事がありませんでした。手探り状態で製作していた序盤と、身についてきた技術で製作された中盤では、グラフィック、システム共にクオリティは大きく異なりました。

完成度の一貫性は皆無、序盤無駄に用意した伏線は回収が出来ず、ゲーム序盤を製作していた時より成長した私では、過去の自分が準備したあらゆるものを管理する事が出来なくなってしまいました。このゲームは、これらのあらゆる問題を解決する事が出来ず、完成することなく製作を中断することとなってしまいました。

しかし、手探り状態の製作過程でさまざまなことに気付きました。
ゲーム全編の一貫したクオリティの重要性、伏線管理の大切さ、システムの構築方法。何の知識も持たなかった初心者の私は、この頃にはシナリオもドットもある程度操れる様になっていたのです。

最初は小規模なものと決めて作れば速やかに完成するとは思いますが、大規模なものを作る事は決して意味のないものではなく長い目で見ればプラスになる場合が多いと思います。

こういうのが作りたい!と思えば人は努力し学習し、やがて適応するものです。




●シェアウェアとして販売

ゲームが完成し、フリーで公開というパターンを繰り返す…
初心者の頃とは、比べ物にならないほどクオリティの上がった自分のゲームは、プレイしてくれるユーザーも大きく増えました。やがて私は、これまでのフリーウェアだけではなくシェアウェアの製作に目を付けました。

ゲーム製作に必要なものはやる気や知識だけではなく、お金も必要になっていきます。自分ひとりではどうしても技術的に限界がきます。自分の得意分野以外のクオリティも上げなくては、『ゲーム全編の一貫したクオリティ』を得ることができません。お金でクオリティをそろえることを考え付いた結果のシェアウェア製作でした。

キャラクタービジュアルのクオリティを高めるために、イラストレーターさんへキャラクター詳細を伝え、デザインの細部とグラフィックを依頼する。支払う依頼料の金額も含め相談しました。自分の及ばない新たな力を他者から得られる初めての経験にとても興奮した覚えがあります。

初めてのシェアウェアがどの程度売れるのかもまったく予想の付かなかった私は、「10本もあれば十分だろう」とCDレーベル、パッケージ表紙等すべてを自分で用意し、販売用フォームを作って注文を待ちました。印刷業者に頼めばプレスからパッケージングまで行ってもらえる、というのを知らなかったのです。

反響は想像していたものより凄いもので、注文されたソフトの配送を終えると、また新しい注文が来ているという状況でした。思わぬ反響に対応がおろそかになり、いくつかミスもしました。CDレーベルは4種類+1シークレットというギミックを用意しましたが、同じキャラクターばかり印刷していたこともあります。

一番大きなミスは、購入者の振込みを確認した後、確認メールをしなかった事です。信頼出来る会社でも何でもない個人に送金し不安になっているという事を、はじめて販売する側に立った私は考え付きませんでした。お金を扱うの事はなんて繊細で難しい事なんだろうと思っていた私の元に、あるとき一通のメールが届きました。

「ウチのサイトでゲームの販売させてくれませんか?」
販売から源泉徴収までやってくれる委託販売というシステムがある事に気付きました。なんて夢のような…もっと早く知っていれば…。

シナリオの書き方:Fool Key - 画像②




●シナリオの作り方

規模にもよりますが、短編であればオープニングとエンディング、この2つのポイントが浮かんだら、ほぼ完成です。主人公の動機と目的が確立しているのなら、道中は適当と言っていいかもしれません。

長編の場合はOPとEDの間に1・2・3・・・と『プレイヤーや主人公が絶対しなくてはいけないシーンを』追加していきます。

意外とザックリしていると思われるかもしれませんが、私が思うにRPGは実はシナリオが短いのです。移動や戦闘で時間を取られるのでプレイヤーは、前回までのシナリオの記憶が薄れてしまいがちです。

長いシナリオをRPGに持ってくると、プレイ時間が長く飽きが早い。
切る所は切り、省略化する箇所を見定める必要がある、これが私のシナリオ製作に対する持論です。




●シナリオで困った事

初めて公開した作品が思いの外、沢山の人にプレイして頂いた事がありました。頭がおかしくなるくらい喜びもしましたが、続編を希望され頭痛がする程困りました。短編の一発モノというコンセプトで製作していた為、設定が曖昧で深く掘り下げていなかったのです。

自分一人の手に負えないと思い、製作チームを作り、シナリオ担当に細部設定を丸投げしました。シナリオ担当が考えてくれた設定に、ゲームとして通用する様肉付けを行い、続編に通用する様仕上げていく。

完成した設定で続編は無事製作されましたが、世界設定、キャラクター設定は細かく決めておけば、例えゲームに使わなくとも、続編はもちろん辻褄を把握しておくのに便利になる、と実感しました。

たとえどんなに上手に作りこんだとしても、後付の設定はやっぱり自然には見えないのです。




●デッドオアアライブ

作者がシナリオ展開に困った時が、物語の見せ場だと思います。
主要人物がやられる!どうなっちゃうんだろう?
とプレイヤーは今後の展開に興味を持ちます。

一般的な物語では主要人物が助かる展開のほうが多いと思います。
どうせ誰かが助けてくれるんだろ?と思うプレイヤーが多いとわかれば、逆に助からない展開にしてプレイヤーにインパクトを与え物語に惹きつけます。私はこの手法をよく使いますが、主要人物が死んでしまう為、物語が展開しにくい状況になって困ってしまいます。

この(シナリオ上の)困った状況を打破する流れを掴めば更なるインパクト与えられるチャンスとなるので目一杯思い悩む事が大切です。物語のエンディングには大きく分類するとグッドとバッドの2種類しか存在しません。大事なのはグッドかバッドかではなく、プレイヤーが納得する終わり方を見つける事だと思います。




●批判故に愛

「面白かった!」「楽しかった!」はモチベーションに繋がります。
この言葉がもたらす力は凄まじいです。

では、批判はその逆で邪魔なものなのだろうか?
全くそんな事はなく、この批判があればこそ作品の答え合わせが出来るものだと思います。
クリエイターの最終的な相手はプレイヤーです。
言わばプレイヤーはゲーミングのプロです。
常にフレッシュな感性を持っているので、感想には絶対にニーズが含まれており、意見を見定め、その答えを使えば作品はより評価されると思います。肯定的であれ批判的であれ、プレイヤーが感想が言える程作品を愛してくれた事に感謝したいです。




●最後に

長々と好き勝ってに書かせて頂きましたが、参考にはしない方がいいかもしれません(笑)
常にこの感性が正しいとは言えず、時代やプレイヤーが変われば作り方に変化を加える事もあります。情報を持ちすぎるとセオリーに翻弄され、新しいもの独自のものを産みにくくなるかもしれません。実際にやってみてクリエイターさん一人一人の攻略法を見つける事がベストだと思います。

ゲームを製作して今年で20年目、アマチュアゲーム業界をずっと見てきましたが、まだまだ面白い事が待っていると思います。そんな世界でゲームを作り続けられる事はとても幸せだと感じます。




※オマケ

クレアンティクス RE:Lily

クレアンティクス RE:Lily
詳細:SYSTEM体験版をダウンロード(DLsite)

2002年に好評頂いた作品のリメイク版です。
まったく忠実に再現されているわけではなく
新たに構成を練り、ストーリー、システムを一新。
製作期間4年にわたる新作がいよいよ公開です。

物語は下層、上層に分かれた近未来。
主人公は顔なじみの人物から依頼を受ける
「この少女を北の最果てへ連れて行ってほしい」と。
この依頼の本当の目的、衝撃のエンディングをお確かめください。

戦闘はサイドビューで展開。
スキル、技などの標準なものから
チェインやアグレッシヴモードといった
このゲーム独特のシステムを駆使して強敵を倒す
快感を楽しんでください。

また、プレイヤーに合わせたゲームバランスをご用意。
手軽に達成感を得るなら、ノーマルモード
このシリーズ独特のバランスなら、オリジナルモード
など、軽くでも、じっくりプレイも可能です。

3Dで美しく描かれた背景や戦いを熱くする音楽。
釣りや採取、加工や分解といった生産も可能。
細かな所にもオリジナル素材を使用。
魅力的なキャラクターによる、まだ見ぬストーリー。
体験版より高速になった戦闘シーン。




クレアンティクス4

クレアンティクス4
詳細:登場人物体験版をダウンロード(DLsite)

クレアンシリーズ8番目の最新作です。

戦闘は従来のコマンド制からタイミングよくボタンを押して、 コンボを繋ぐフェイズドアサルト・バトルで展開します。
オリジナルのコンボを組み込んでスタイリッシュな戦闘を実現。

次のイベント発生を知らせるAIMシステムにより、
久しぶりのプレイでもスムーズに展開します。

プレイ時間は5.6時間、社会人の方でも手軽に満足して頂けます。



↑クレアンティクス4 テクニック解説

最近更新したコンテンツ

2016年01月29日
ニュース
アニメ「この素晴らしい世界に祝福を!」がゲーム化
BD&DVD1巻の特典として収録
2016年01月28日
新着ゲーム
「消灯時刻」
終末世界で起きる、残された人達の物語
2016年01月27日
ニュース
Web漫画「おじさんとマシュマロ」が面白い
おじさんとOLの、微妙に噛み合わない恋愛風景
2016年01月26日
ニュース
漫画「ステラのまほう」がアニメ化決定!
女子高生達が同人ゲームを作る4コマ漫画
2016年01月24日
新着ゲーム
「レミリアケツKicker」
レミリアさんのお尻を蹴るゲームが出たよ
2016年01月21日
新着ゲーム
「凍れる心がとける時」
短編ADV。ファンタジーな世界での恋する学生のお話
2016年01月18日
新着ゲーム
「ゆぼひくっ!」
勇者を作って冒険する?超簡単な暇つぶしゲーム
2016年01月17日
新着ゲーム
「ワーズ・アンド・マジック」
スマホやタブレットで遊べるタイピングRPG
2016年01月15日
新着ゲーム
「東方紅輝心」
レミリアと咲夜の3DアクションRPG
2016年01月14日
新着ゲーム
「TS:NONUPLE NINE ノナプルナイン」
ちょっと(?)エッチな探索型ADVゲーム
2016年01月12日
新着ゲーム
「森でクマさんテラヤバス」
可愛い少女・OLと紳士なクマさんの追いかけっこゲーム
2016年01月12日
コラム
「リド・カイン」さんの連載コラム 第5回
「ゲーム制作一人で出来るもん!データベース作成編」
2016年01月11日
新着ゲーム
「KATHARSIS?禁断病理の子供達?序章」
フルボイス!?「医能伝奇」バトルADV
2016年01月09日
新着ゲーム
「リセマラ勇者」
ガチャを回して勇者を集めてよう
2016年01月06日
新着ゲーム
「ハンスとグライフ」
【18禁】女性向けのダークファンタジーゲーム
2016年01月05日
コラム
「道玄斎」さんの連載コラム 第42回
「非グリム的童話の世界へ」
2016年01月03日
コラム
「眠田 直」さんの連載コラム 第4回
「ゲッペルスちゃん3」制作報告コラム・その4

個人、同人の創作ブログ更新情報


サブコンテンツ

ゲーム制作者様達のシナリオの書き方

  • ゆるいゲーム開発部

    超お勧めのサークルさん!
    何でフリーゲームなのか分からないくらいクオリティの高い、フルボイスのADV作品を制作されておられます(*゚∀゚)=3

  • 神崎 克樹

    基本的には女性向けのADVを製作しています。
    作品は無料と有料、真面目・不真面目、健全・エロ混在してますが、その日の気分でマイペースに活動中。

  • 礼門Z

    最初に作って公開したノベルゲームが2003年。RPG、アクションゲーム、シューティングゲーム、いろいろ作りました。これからも作ります。フリゲはフリーダム・ゲームの略です。

  • 礼門Z

    最初に作って公開したノベルゲームが2003年。RPG、アクションゲーム、シューティングゲーム、いろいろ作りました。これからも作ります。フリゲはフリーダム・ゲームの略です。

  • 日本戦争ゲーム開発

    主に軍事系のRPGやSLGそしてバカゲーを作っている、日本戦争ゲーム開発の武藤FPです。シナリオライターというわけではありませんが、絵と音楽以外は自分で作るのでシナリオも書きます。自分なりのシナリオを書く手順について書かせて頂きます。

  • mystic night 公主

    女性向け、一般向けのノベルゲームを一人で制作しています。ファンタジー大好きな厨二病を患っているフリーゲーム制作者。自分の好きなものを色々詰め込んだ趣味に走った作品が多いです。常にゲーム制作をしていないと、落ち着きません。病気レベルです。

  • NEWシバプラス 森

    趣味で、二次創作のフリーゲームを中心に製作しています。今年からは、オリジナルのスマホゲーム製作も考案中。

  • Electric Prophet 岡崎

    岡崎さんは漫画家兼イラストレーターさんです。趣味で漫画を描いたりゲームの作ったりされておられます。

  • FooL Key

    FooLというブランド名で主にRPGツクールでRPGを製作、公開しています。ゲームを製作する上で何か学んだわけでもなく、完成させた作品に満足をした事もありません。初心者の方向けの文章ですが、読み物の一つとして見て頂ければ幸いです。

  • Lemon slice 神鏡学斗

    もっぱらRPGツクールシリーズでシミュレーションRPGを制作しています。子供のころからゲーム制作をしていて、制作歴は10年ちょっとくらいでしょうか。ただ、プロのシナリオライターというわけでもなく、ゲーム関係の仕事をしているわけでもありません。なので、ゲーム制作は完全なる趣味です(笑

  • Ray [rei] さよのすけ

    同人制作サークル「Ray」のさよのすけと申します。主にアドベンチャーゲームの企画・シナリオを担当しています。

  • RED HOSTILITY 蔵野杖人

    R-18GマルチバッドエンドサスペンスADVとか短編サスペンスノベルとか、とにかく人が死んだり、死ぬよりひどい目にあったりするゲームを作っています。

このページの先頭へ