道玄斎さんのコラム 08:レビューの利用



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●第八回 「レビューの利用」

道玄斎です、こんばんは。
今回は、また原点に戻って「ゲームレビュー」にまつわる話をしていこうと思います。




■レビューの向かう先


当たり前のことですが、レビューというのは2つの方向性を持っています。
つまり、


・未読(未プレイ)の人に対する方向性。

・既読(既プレイ)の人に対する方向性。


ということです。
これは、ネット通販のAmazonを思い出してもらえれば分かりやすいのですが、自分の買おうと思っているモノが「良いものなのか」を、私達は結構気にします。
ですので、Amazonのレビューや星の数を見て、最終的な購入決定をする……というのは誰しもやったことがあるのではないでしょうか?

しかし、その一方で、自分が買ったものに対して、再度その商品ページに行き、レビューを読んで、「うんうん、そうだよな!」と納得し直したり、あるいは「こいつ本当にこれ買ったのかよ?」なんて思ったりもするのです。


ノベルゲームでのレビューも同じです。
未読のプレイヤーへ情報を提供する、という役割と、既読のプレイヤーに対しても、自身のプレイを思い起こしてもらう、よすがとしての役割があるのです。

なんとなく、私達は「レビュー」というと、つい「未読」の人だけを対象に考えてしまったりもするのですが、「書かれてしまった」ものは、既読の人も自動的に対象となってしまっている、というのは結構重要なポイントです。




■2方向ゆえに起こる問題

既読者からすれば、レビューは「各々の意見を再確認したり、他者の意見を読んでみる」というものになります。

自分が良いと信じる作品について、レビューでも「これ、いいぜ!」なんて書いてあったら、やっぱり嬉しいですし、意見の異なるポイントを発見しては、その差異を楽しんだりするわけです(私も、他のかたが書いたレビューを読んだりして、次のレビューに活かしたりもしています)。

一方で、問題は、自分自身の作品への実感と、読んでいるレビューでの評価が異なる場合です。私なんかは、むしろ喜んでそういう差異を楽しめちゃうんですけど、世の中には、「自分の感覚こそが絶対」というかたもいるようでして、クレームのメールを頂くこともあります。


もう1つの大きな問題は、「未読」の人に対する配慮の問題です。
つまり「ネタバレ」をどうするかという部分です。
ほとんどのレビュワーは作品をプレイする際に、「readme.txt」を読んでいると思います。作品の大まかな情報はもちろん、レビューへの注記もついていることが多いですからね。


「レビューやスクリーンショットの利用はご自由にどうぞ。ただしネタバレにならないように配慮して下さると嬉しいです」


ありがたいことに、readme.txtに、このように書いて下さっている制作者さんは多いのです。そうすると、安心して私達はレビューを書くことが出来ます。もちろん、ネタバレへの配慮もいたします。

もし、何かされて困ることがあれば、readme.txtにしっかり書いておく、というのはとても有効です。自分の意思を示せますし、なにか問題が起きた時に、「readme.txtにちゃんと書いてある!」と言えますから。


「ネタバレはやめてくれよー」ってなreadme.txtがなかったとしても、私は基本、ネタバレは避けるようにしています。いや……昔は、割と無遠慮に書いてたのかもしれませんが、少なくとも今はそのようにしています。

ただ、それも作品によっては難しいことってありますよね。
例えば、


「非常にオーソドックスな形で進む作品だが、最後の最後で大どんでん返しがあり、それによって、それまでの全てが裏返ってしまう」


こんな作品です。
ネタバレにならない部分だけレビューをしてしまっては、作品の面白さや良さを伝えることは出来ないでしょう。

なので、大抵の場合、「最後の最後で、大どんでん返しがあり、そこがこの作品を良いものにしている」なんて、ちょっと書いたりするわけです。

けど……、


「どんでん返しがあるってのはネタバレだろ! あぁん!?」


なんて言われてしまったり……。
図らずも、レビューというのは2方向に向いてしまうものですから、こうした問題が起きやすいんですよね。




■その他の問題

けど、それってレビューの宿命みたいなものですから、私などは割り切っています。
「誰にでもフィットするレビュー」というのは、ちょっと想像出来ませんし、よしんば、それが可能だとしても、それは無味乾燥なスペック表のようなものになってしまうのではないでしょうか?


そういえば、このコラムへの反応で、「どういう作品か分かるレビューが良い」というご意見がありました。

これも、少し難しい部分を含んでいると私は思います。
というのも、一応私のスタイルは、作品の説明を作者さんのサイトなどから引用してきて示しています(それがない場合は、自分で概略を書く!)。この段階で、「作品の概要」くらいは分かるんですよね。

その概要にプラスアルファを加える、というのが、私にとってのレビューの本体という感じですかね。

私にとってのレビューの書き方は、単純化すれば、


・作品の概要を追っていきながら、プラスアルファを加えていく

・作品のある部分に焦点をあて、プラスアルファを加える


と、大きく二分出来そうです。
前者の場合ですと、最初に示した引用文を補強しながらレビューを綴るわけですから、「どういう作品か分かる」レビューになっていると思います。

一方、後者の場合ですと、「作品の概要」は最初に示した引用文だけ、ということになり、不満を感じるかたもいらっしゃるかもしれません。ただ、敢えて概略を控えめにして、興味をそそらせる、というワザは、書評などでは非常に一般的です。また、そうした方が面白いレビューになるケースというのも、作品内容との絡みによってはあり得るでしょう。


何が言いたいのか、というと、繰り返しになりますが、いつでも誰にでもフィットするレビューはありえない、ということです。あるレビュワーの書くレビューが好きでも、「今回のは合わないぜ!」ということは大い にあり得るわけです。

「どういう作品か分かるレビューが良い」と書いて下さったかたは、「レビュワーの好みなどを知った上で利用すれば良い」とも書いていらしたんですが、まさにそれがレビューを「利用」する上でのキモです。

ある人が書いているレビューを追っていくと、そのレビュワーの傾向が見えてきます。


「この人のお薦めする恋愛ゲームは自分の好みと近い」

「けど、ホラーに関しては好みと合わない」


などなど。
だとすれば、その人の書く「恋愛作品のレビュー」だけを読めばいいのです。極端な話、その人のレビューが全体的に合わないのならば、レビューを読む必要はないのです。




■まとめ

レビューというのも、色々な試行錯誤の上で成り立っているものです。
もちろん、読んで頂けるのならば、それはとても嬉しいことですが、合わないというかたもいるわけですから、強制は出来ませんし、するつもりもありません。

色々なレビューの方向性があって、どこに軸足を置いて、どこで自分のオリジナリティを出すのか、そこは、制作者に通じる、レビュワーの「試行錯誤」の部分です。

では、私はどこに軸足を置いてレビューを書いているのか、というと……
それはまた別のお話……。
今日はこのくらいにいたしましょう。


※昨日、愛猫が家出をしてしまい、非常に心配しています……。
もう、結構爺さん猫ですし、外で辛い思いをしているんじゃないかと、心が安まりません……。早く無事に戻ってきてくれれば良いのですが……。

(つづく)

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