道玄斎さんのコラム 09:自分のレビューの勘どころ



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●第九回 「自分のレビューの勘どころ」

道玄斎です、こんばんは。
今日は、第八回目でお話したテーマをもう少し掘り下げながら、また新しい話題に移ってみたいと思います。




■もう1つの方向性

前回、私はレビューには図らずも2つの方向性がある、と書きました。
つまり、「未読の人に向けての方向性」と「既読の人に向けての方向性」です。

しかし、実はもう1つの方向性があります。
それは「作者さんに向けての方向性」ということになります。

私は、フリーのノベルゲームをメインにレビューを書いているわけですが、フリーゲームの界隈は、なんといっても「作者と読者の距離が近い」のです。

ゲームのレビューや感想を書けば、作者さんからコンタクトがきたり、ということも非常にしばしば起こります。作者さんも、次回作を出すときに、そうした自分の作品をしっかり見てくれる(くれた)人で、仲良くなった人を、デバッグに誘ったり、場合によってはスタッフとして起用したり、ということをするわけです。

あるいは、「おっ! このゲームいいじゃん! 俺も作ってみてぇなぁ!」と思った人が、次の「制作者」になる、という意味でも、作者と読者の距離は近いと言えます。


レビューを書くとき、「作者さんにも読んでもらうのだから!」と考えレビューをする人は、恐らくあまりいないでしょう(私もあまりそういうことは考えません)。しかし、やはり図らずも、書いたレビューは作者さんに届いてしまうことも多いのです。

ゲームを制作されたことがあれば、ピンとくると思いますが、自分がリリースした作品がちゃんと読まれているのか? 感想は来てるのか? という問題はどうしても考えざるを得ません。
褒めていただいたり、楽しんでもらえていたならば、素直に嬉しいですし、逆にネガティブな意見があったら、反省し、そこを気を付けながら次回作を作ったり。

ともあれ、自分の作った作品タイトルで検索する、というのは非常に一般的ですし、そうして、積極的に情報を集めていかないと、自分の作品の相対的な位置、というのが掴みにくいのも、また事実でしょう。

となると、その作品をレビューしたレビューサイトが検索で引っかかる……というのは、非常に自然な流れです。



■指摘の2つのバランス軸

さて、ここで少し話の矛先を変えましょう。
レビューが、未読の人、既読の人、そして作者本人に読まれるものであるのなら、レビュワーは、どのようなレビューを書いたらよいのでしょうか?

私の個人的な考えは、「あまり気にせずに好きなように書いたらよい」というものですが、レビューを書く際に気を付けていることはあって、それが結果的に、様々な方向性への配慮となっていると思います。

私が気を付けていることは、


・その作品の面白さや楽しさをなるべくくみ取るようにする

・良い点と気になる点の指摘のバランスをとる

・気になる点の指摘は、なるべく根拠を示す


こんなところでしょうか。
順番に簡単な解説をしていきましょう。


まず、「その作品の面白さや楽しさをなるべくくみ取る」ですが、これは説明不要でしょう。ただ、個人的に思うこともあるので、また後ほど触れることにいたしましょう。


2つ目の「良い点と気になる点の指摘のバランスをとる」ですが、それなりに工夫はしています。例えば、私は「良かった点」「気になった点」をそれぞれ箇条書きにして示しているのですが、「気になった点が、良かった点の数を超えないように」しています。

つまり、最大でも「良かった点」と「気になった点」の指摘の数は同数なのです。レビューを書いている時も、「気になった点は気持ち少なめで」と考えています。

けど、凄く勢いがあって楽しい作品のほうが、プレイしていて、むしろ「気になった点」が多めに感じられる、ということはありますね。
だからといって、作品の面白さや良さは変わらないのです。あえて言ってしまえば、何か突き抜けた面白さを持つ作品には、同時に些細な問題も目につきやす、と言えそうです。


また、量的なバランスだけではなく、指摘内容の質的なバランスも考えます。
例えば、作品内容の根本に関わるようなものの場合、重要度は高く、指摘しておきたい部分となります。そしてそれが、レビューの大きな柱になることもあるのです。一方、誤字脱字のようなものは、重要度としては低いもの、と言えるでしょう。

重要度の高い指摘を軸に、気になった点を書いていく場合、重要度の低いものは省くことが多く、逆に重要度の高い指摘がない場合は、重要度の低いものも書く、という感じです。

私は、こんな感じで、量的・質的なレベルでの指摘バランスをとっている、ということです。


さて、最後に書いた「気になる点の指摘は、なるべく根拠を示す」についてです。
単純に「ここはあかん」と言っても、それはきっと、誰の役にも立たない言葉でしょう。

ですので、出来るだけ「自分は○○だと考えるから、ここは気になった」とか、そういう書き方、伝え方をしているつもりです。また、上手く説明出来ない時は、その旨、正直に書いてしまいます。「何となくの感覚でここが○○なのが気になった」というように。




■レビューにも個性を!

さて、「その作品の面白さや楽しさをなるべくくみ取るようにする」という話ですが、私は、「もっと、個人的な面白さのポイントや楽しさのポイントをレビューに取り入れてもいいんじゃないか?」と思っています。

それが、私の(批判も多い)衒学的で長文スタイルのレビューです。

つまり、「自分が面白いと思ったポイント」を掘り下げていってもいいのではないか?
ということです。

例えば、作中の古文書に「漢文」が出てきたら、古文書や漢文についての話をレビューの中に取り込んでいったり、ファンタジーの作品があったら、現代ファンタジーの原点とも言える『指輪物語』との比較をしてみたり……。

もちろん、こうしたレビューの形に賛否両論あると思います。
ただ、制作者も、「同人」というフィールドで、「自分のやりたいこと」を追求しているのですから、レビュワーも「レビュー」の最低限の軸は保持しつつ(これは大事。自戒を込めて……)、色々と試行錯誤してみてもよいのではないでしょうか?

それでは、今日はこのへんで。


※今日は、「レビューで、『気になった点』をどこまで指摘するのか?というご質問に答える形で書いてみました。直接の回答ではないのかもしれませんが、自分のスタンスは説明出来たのではないかな? と思います。

(つづく)

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