道玄斎さんのコラム 24:道玄斎のノベルゲーム漫遊記



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●第二十四回「隠れた名作を発掘せよ!」

 今日は、要望があった「隠れた名作」なるものに焦点を当ててみようかな、って思っているんだ。
 話が色んな方向に向かっていきそうだけど、頑張って書いてみよう!




■名作をみつけよう!

 「名作」ってひとくちに言っても、「いい/悪い」というのは、個人的な感性の問題だから、なかなか定義しにくいんだよね。
 ある作品をプレイしてみて、「お! こりゃいい作品だな」って思って、検索をかけて評判を探ってみるも、誰も話題にしていない……。あるいは、極々少数の人だけしかその作品をプレイしていない。こういう状況ってきっとみんなも経験あるよね?

 まさにそこが多くの「レビュワー」の出発点になっているんだよ。
 「こんないい作品が埋もれてるなんて! よし、じゃあ俺が紹介してやるぜ!」ってね。
 一方で、そうした状況が「ゲーム制作」の動機になっていることだってあるんだ。
 「俺はこういう作品好きなんだけど、数が少ないみたいだ……じゃあ、自分で作ってみようかな!」ってな具合だよ。


 それはともかく、世の中には、ある作品の「人気」や「評判」を分かりやすく示してくれるサービスや企画がある。

 一番わかりやすいのは、「あるゲームにたいして評価をつける」サイトだよ。基本的にゲームの紹介サイトがそういったことをやっているんだけども、いくつかその形態によってわけられるね。

 まず、紹介サイトの運営者自身が「自分の評価」を記載するパターン。個人のレビューサイトも、基本的にはこの形態だよ。

 もう1つは、「DL数や、プレイヤーなどの投票により評価がつけられていく」パターン。
 これもわかりやすいよね。ものによっては、簡易なレビューを投稿出来たりするものもあって、作品選びの1つの参考になるのは間違いないよ。

 この2つはそれぞれ長所と短所があるんだけれども、「人気作」を見つけるなら後者、「隠れた名作」を見つけるなら前者のほうが向いている、と言ってもいいんじゃないかな?

 プレイヤー投稿型の評価サイトは、平均値で評価が決まるから「みんなが好きなもの」が分かるんだ。
 これはプレイヤーだけじゃなく、ゲーム制作者にとっても、すごいありがたいことなんだよ。そのときのトレンドなんかがわかるからね。

 個人の評価サイトは、評価を下す人間と感性があえば参考になるよ。
 あと、やっぱり、「自分では見つけられなかった作品」に出会える可能性が高いんだ。
 そして、レビューサイトの存在意義の1つには、そういう「隠れた名作」を紹介するってところにあることも間違いないよ。




■「隠れてしまう」って?

 プレイヤー投稿型の評価サイトは、大きな問題があるんだ。
 それは、「投稿層が多様である」っていうところ。これは長所と表裏一体なんだけどもね。

 たとえば、シナリオにうるさい硬派なゲーマーがいたとしようか? その人はもしかすると、ある作品をプレイしたときに「シナリオ」を重視して、ビジュアル的な面はあまり重視しないかもしれないね。
 けれども、そういう人って少数なんだよね……。で、多くの人は、まず「パッと見のビジュアル」で、プレイするかどうかを決めるし、ビジュアルが綺麗だと評価が甘くなっていく傾向っていうのがあるんだ。だから、どうしても「ビジュアルがよいもの」の評価が上がりやすいって問題があるんだよ。
 そういう状況だと、「立ち絵がない作品」なんかは、まず話題にならないんだ。

 なので、隠れた名作の「隠れた」っていうのは暗に、ビジュアル面で目立たないってことを指している、っていってもあながち間違いじゃないんじゃないかな。

 これも時代によってもずいぶん違いはあるよ。
 一昔前までは、『弟切草』や『かまいたちの夜』を踏襲した作品がノベルゲームの「正統」だと思われていたフシがあるし、そうした状況のなかで生み出された『1999ChristmasEve』はやっぱり名作なんだよ。

 けれども、ノベルゲームのビジュアル面が進化・進歩すると、それにユーザーは慣れてしまうし、一度慣れてしまえば、もう元には戻れないんだ。
 だから、どうしても2015年の今では、ビジュアル面が弱い作品は「隠れて」しまう傾向があるね。




■個人的な隠れた名作

 さて、じゃあ、私が個人的に「隠れた名作」だと思っている作品をいくつか挙げてみようかな?
 まぁ、昔は知名度が高かったものも、2015年の基準で「隠れた名作」というくくりに入れてしまおう。


 まず、まっさきに名前をあげたいのは 『柵の淵』 (しがらみのふち)。
 これは、「奇怪な館からの脱出モノ」という、『弟切草』以来の伝統を受けついだ作品だといってもいいよ。それはつまり、ここ数年、圧倒的人気を誇る「脱出ゲーム」のへとつながる、重要な作品だといってもいいんじゃないかな。

 この作品は、いわゆる「影絵」ではなく、少しクセのある立ち絵が表示されるんだけれども、プレイしやすい尺や、物語に厚みがあって、本当に名作だと思うな。

 この手の、古式ゆかしいノベルゲームっていうのは、エンドがたくさんあるわけなんだけれども、ノーヒントで大量の分岐をかかえていると、「もういいや……」って投げだしたくなることがあるんだよね。
 そうしたタイプの作品が名作になるか、それとも駄作になってしまうのか、その分かれ目は「よし、じゃあ、もう一回やってみよう!」と思わせてくれるかどうか、だよ。

 それは、バッドエンド後に表示される「ヒント」かもしれないし、セーブ/ロードがスムーズに出来るかどうかかもしれない。あるいは、少しづつ物語の輪郭が明らかになっていく、その感触があるかないかという部分なのかもしれない。どういう形であれ、「じゃあ、もう一回やってみよう!」と思わせてくれるかどうか、そこが重要なんだよ。

 その意味でも『柵の淵』はバッチリだったね。
 少しづつ明らかになる物語、攻略ヒントもついていて、なおかつセーブ/ロードがスムーズ。マルチエンドの楽しさが存分に味わえる良作。

 実は、私のブログ宛てにくるメールの多くが「『柵の淵』のおまけシナリオの配布場所を教えてほしい」っていうものなんだ。
 私は、作者さんから許可を得て、「おまけシナリオに必要なキーワード」をメールに書いてきてくれたら、おまけシナリオの配布場所を教えているんだよ。

 2015年の今でも、ちょくちょく、そうやって『柵の淵』関係のメールをもらうことからも、この作品の人気がわかるんじゃないかな。
 問題は……かなり古い作品だから、最新のOSで動くかどうか(自作エンジンなんだよ)、ちょいと怪しいってことだね。


 おつぎは 『黄昏の白い靴』 という作品だよ。
 だいたい、ノベルゲームって「日本の高校生」が主役であることが多くて、そこがノベルゲームの1つのマンネリにつながっていると思うんだけど、『黄昏の白い靴』の舞台はイタリア。それも「昔話」という形でストーリーが進んでいくから、世代を超えた厚みも出ているんだ。

 若干、表現の面で気になる部分はあるんだけれども、立ち絵がついていなくても、内容の良さで勝負した、まさに隠れた名作だよ。


 ここまでは、結構古めの作品だったけど、比較的最近「これは!」と思う作品もあったからあわせて紹介しておこう。
 それは 『僕の好きな君の顔』 という作品。この作品の主人公は憎きイケメン。しかもブスは大嫌い、ときているもんだから、もうぶち殺したくなるねぇ……。

 けど、ある日、こいつは「人間の顔が数字としてしか認識出来なくなる」んだ。
 顔の美醜が彼の判断基準だっただけに、これは一大事。けど、そんな変化によって、彼は顔の美醜だけでなく、もっと人間の本質を見ていくようになる……っていうと、ちょいと綺麗にまとめすぎかな。

 ともあれ、これも変わった設定やテーマで、グイグイ惹きつけられる作品だよ。
 こういうタイプの作品にイラストがついていると、とんでもなくカオスなことになりそうだね。だって、キャラの看板「顔」が数字としてしか表せないんだもの。
 つまり、この作品にイラストがついていない、っていうのは、物語上の必然でもあるってことだね。


 こうやって作品をあげていけばキリがないんだけど、あまりダラダラと書くのもなんだから、そろそろ終わりにしよう。
 最後に取り上げるのは 『雨ではなく、雪でなく』

 かなり綺麗な雰囲気のいいイラストがバッチリついているんだけれども、お馴染みのダウンロードサイトに登録をしてなかったから、知名度が低くなってしまっている作品だよ。

 これはもう、タイトルからして強烈な「名作の香り」がしてるよねぇ。
 内容も、ほろ苦くい大人の味わいで、男性にお勧めの一作。
 映像作品的な一枚絵など、短編ながらものすごくこだわって作られたことがわかる稀有な作品。

 こういう作品で感じた気持ちを文章にするって相当むずかしいから、なにはともあれ、まずはプレイしてみて欲しいな。




■隠れた名作の発掘方法

 「隠れた名作」を発掘したいなら、いくつか方法があるよ。
 1つは「手当たり次第ゲームをプレイしていく」というもの。ただ、これは手間がかかるし、自分の好みに合わない作品にあたってしまうことも多いね。

 もう1つは、「個人系のレビューサイトを利用する」方法。
 まさに個人のレビューサイトは、そういう隠れた名作をみつけるのを楽しみに活動している人もいるくらいだからね。
 ただ、そのレビュワーと感性が合わないと、ちょっとつらい部分はあるよね。

 最後は裏技的な方法なんだけど、たとえば「ふりーむ」で作品一覧をズラッと見ているとき、まずは「ビジュアルを押し出していない作品」をピックアップする。
 そして、それらのなかで、「レビューがついているもの」をプレイしてみる、という方法。

 ふりーむは意外とレビューって書かれないんだけど、コアなレビュワーが常駐(?)しているんだよ。
 そんななかで、地味な見た目にも関わらず、レビューがついた作品があれば、それはやっぱりなにかしら魅力があるってことなんだ。なんとなくの目安だけれども「2件」以上レビューがついているものを選んでみれば、かなりの確率で隠れた名作に出会えるんじゃないかな?


 いろいろ書いてきたけど、最後に1ついいたいのは、「あっ、これは隠れた名作だな!」っていうのがあれば、是非、それを広めて欲しいってことなんだ。
 ブログを持っていたら、そこに書いてもいいし、Twitterでひとことつぶやくだけだっていい。

 readme.txtに「宣伝不可」とか書かれていたら、そりゃあしょうがないけど、そうやって、少しでもその作品を広めていけば、作者さんだって喜んでくれるだろうし、「隠れた名作」が、本当の「名作」として認知されるかもしれないんだからね。

(つづく)




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