道玄斎さんのコラム 44:道玄斎のノベルゲーム漫遊記



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●第四十四回「創作がらみのトラブル?」

 またしても、間が空いてしまったよ。
 いや、言い訳じゃないけど、結構忙しくてね。ほら年度末と年度初めをまたいでたじゃないか。お気楽な日々を過ごしているようでも、実際はそれなりに私も忙しかったりするんだよ。

 それにしても、今回はどんなテーマにしようかなぁ……。




■テーマ決定

 こういう時は、悩んでいてもあまりいいアイデアが出てこないんだ。
 何はともあれ書き始めちゃう、ってのが一番だよ。

 さて、じゃあ、テキストエディタを起動して……。
 あれ? 電話だ。


「もしもし」

「こんばんは、道玄斎さんですか?」

「ああ、なんだS君か。何の用だい?」

「ご挨拶ですね……。道玄斎さんがコラムのネタ出しに困ってるっていうから、ヒントをあげようと思ったのに!」

「君も、毎度のことながら早耳だねぇ。正確にいえばネタはあるんだよ。けど、どういうネタがいいのかな? ってところで悩んでるんだ」

「じゃあ、こういうのはどうです?」

「なんだい?」

「ズバリ、創作関係のトラブル!」

「君、ほんとそれ好きだよねぇ……」


 そうなんだ。
 S君は、いつも「トラブル」のような、ちょいと刺激的なネタを私に勧めてくるんだよ。
 実際に、彼に乞われるままにコラムを書いたこともあるんだ。けど、なんか雰囲気が悪くなっちゃったり、明るい、健全な(!)コラムから離れていってしまうような気がして、毎度お蔵入りにしてるんだよねぇ。


「そこはそれ、上手くボカして書きましょうよ!」

「うーん……。そうだなあ、一度チャレンジしてみるか」

「そうこなくっちゃ! で、どんなトラブルを書くんです? わくわく」

「ああ、そこだよね。まず、『どんなトラブルか』を決めないと」


 うすうすみんなも気づいてると思うけど、「ゲーム制作にまつわるトラブル」って色んな形があるんだよ。

 例えば、丹下さんのコラム であったような「制作メンバー間のトラブル」なんてのは、とてもメジャーなものなんだ。
 なにより、丹下さんの力作があるんだから、ここは私の出る幕じゃないよね。

 となると……やっぱりアレかなぁ。


「というと……?」

「うん、簡単にいうと『制作者同士のトラブル』なんだ」

「えー! そんなことってあるんですか?」

「あるよ、あるある。まぁ、片方は本当に制作者なのか? って問題が出てくるケースもあるんだけど、実は意外とあるんだよ」

「じゃあ、テーマは決定ですね!」




■問われるリーダーシップ!

 そうだな、じゃあ、最初はこういう話からしてみようかな。

 これは、割と「制作メンバー間のトラブル」に近いんだけど、ゲーム制作なんてやっていると、色々と人的なつながりが出来てくるもんなんだよ。

 それが「創作交流」というものにつながっていくんだ。
 自分もゲームを作る。相手もゲームを作っている。自分がゲームをリリースしたら相手もそれを宣伝してくれるし、相手がゲームをリリースしても自分はお返しとばかりにその宣伝に一役買うってわけだよ。

 ちょいなれ合いみたいな雰囲気になることもあるんだけど、基本的に同じ趣味を持ち、悩みなんかも共有できるいい交流である、っていうのも事実なんだ。

 そうした交流が発展していくと、今度は「一緒にゲームを作ろう!」ってことになる。
 そう、お馴染みの「コラボ作品」ってわけだね。

 これは本当に難しい問題があるんだけど、たとえば2人でコラボ作品を作ろう、ってことになったとしようか。
 この場合、お互いの責任や作業が50:50、つまり完全に平等だと実はなかなか作品って完成しないんだよ。

 やっぱり、複数人での制作の場合、グイグイ引っ張っていくような「リーダー」的存在が必要になることが多いよ。もうちっとそれらしい言葉で言えば「ディレクター」となる人が必要ってことかな。

 で、そのディレクターはただ相手を引っ張っていけばいい、ってもんでもなくて、状況を見たり、各メンバーの進捗を管理し、サポートをしていかないといけないから、こりゃ大変な仕事だよ。




■まさかの全員インフルエンザ

 というわけで、複数人(4人だったかな?)の実績ある制作者さんたちが、コラボ作品に取りかかったんだ。

 完成した作品を某ゲームコンテストに叩き込む。そして出来れば賞を獲りたい、という大きな目的があったから、制作は思いのほかスムーズだったんだよ。

 「コンテストに間に合わせる」という、〆切りが存在していたことは大きいね。
 同人(もちろん、フリーゲームも同人の1形態だよ)の場合、〆切りがないもんだから、ずるずると完成が引き延ばされちゃうこともあるんだ。
 けど、今回は「コンテストの出したい」という目的があったから、常に〆切りを意識した、いい緊張感のなかで作業が続いていったんだ。

 案の定、ここで問題が発生したんだよ。
 制作も佳境に入って、このままいけば問題なくコンテストに間に合うってときだったんだけど、会議チャットで驚くべきことがおこったんだ。


「このままいけば問題なくコンテストに作品を出せるな!」

「あー……それなんだけど、ちょっといいかな……?」

「ん? どうした?」

「あのさぁ、すげぇいいにくいんだけど、俺……インフルエンザにかかっちまった……」

「え……!」

「あの……その……実は僕もインフルに……」

「実は俺も、今病院から帰ってきたとこなんだ……」

「ええー!」


 というわけで、主催者(この人がディレクター役だね)以外の全員が、なんとインフルエンザにやられちゃったんだ!

 インフルエンザって結構辛いからね、調子がよくなるまでそれなりに時間がかかるし、その間、当然作業なんかも出来なくなっちゃうんだよ。
 こういうときに、リーダーの手腕が問われるんだよね……。


「おいおいおい! あとちょっとでコンテストに作品を出せるんだぞ!? どうするんだよ!」

「どうするもこうするも、俺、会社だって休んでるんだぜ……」

「僕も、大学休んでます……」

「俺は無職だけど、インフルエンザだよ」

「無職ならいいだろ……! ともかく、完成まであと一歩じゃねーか!」

「本当なら、今日の制作会議だって休みたいくらいなんだぜ。けど、連絡しないといけないから、頑張って出てきてるんだよ……」

「僕もです……」

「俺は無職だけど、連絡は大事だからちゃんと出てきたよ」

「無職は関係ないだろ! あっ、そうだ、お前らあと2日でインフル治せ! そしたらなんとか作業間に合うかもしれないぞ」

「おいおい、そんな都合よく治るわけないだろ……。こっちだって治るもんならさっさと治したいよ!」

「じゃあ、どうするんだよ……!」


 と、まぁ、こんな感じになっちゃったんだ。
 もともと、コンテスト(と、もらえるかもしれない賞)を原動力にして動いていたプロジェクトだったんだけど、どうも雲行きが怪しくなってきたね。
 そこで、無職の彼が一つ、提案をしたんだ。


「あのさ、もうここまでくれば作品は絶対に完成すると思うんだ」

「まぁな。けど、このままだとコンテストには間に合わなくなるぞ」

「うん、だから、こうなっちゃったらコンテストにこだわらなくてもいいんじゃないかな、って」

「そうだな。コンテストに参加出来ないのは残念だが、ここは作品を完成させてちゃんと世に送り出す、ってのに目標をシフトしたほうがいいかもな」

「僕もそう思います。せっかくみんなで作ってるんだから、完成するだけでも嬉しいですし」

「けど、コンテストで賞を獲るってことで始めたわけだろ!?」

「うーん、ほんとに申し訳ないけど状況が変わってきちゃったからなぁ……」


 このコラムの読者は、ゲーム制作をしている人も多いと思うんだけど、みんなだったらこういう状況、どうする!?

 ん?
 今回の場合どうなったか、って?

 まぁ、無職の彼の提案通り、コンテストは諦めて「完成させること」に目標をシフトさせて、それは主催者も同意したんだ。一週間近く寝込んでいたヤツがいたもんだから、やっぱりコンテストには出せなかったんだけど、ちゃんと作品は完成して、めでたしめでたしで終わったんだ。主催者以外は……。

 結局、主催者は「コンテストに出展出来なくなった」ってとこを、いつまでも引きずっていて、ことあるごとにそれを持ち出してたんだよ。


「あーあ、今日でコンテストの〆切り日だよ……」

「おいおい、もうそのことは言わないでくれよ。俺たちだって悪かったって思ってるんだから……」


 とか、


「無職だったら、インフルエンザにかかっても作業出来たはずなんだけどな……」

「インフルエンザで苦しいのは、無職でも定職があっても同じなんだぞー!」


 とかね。
 そして、作品が完成し、「けじめ」として打ち上げが予定されていたんだけど、主催者は、自分の思い通りに計画が進まなかったもんだから、打ち上げの参加を拒否しちゃって、参加者な、なーんかいやな気持で、このプロジェクトを終えたってわけ。




■色んな状況はあるけれど

「うーん、インフルエンザになっちゃったら、それは仕方ないと思うんですけどもねぇ」

「俺もそう思うなぁ。しかし、こういうタイプの人って、自分が逆のことやられると烈火の如く怒ったりするんだよな」

「あー……なんかわかる気が……」

「今回は、自分以外のメンバーがインフルエンザになったから、主催者はメンバーを責めたんだけど、自分がインフルエンザにかかって、他のメンバーから責められたら、この人、怒ったと思うんだよ……」

「まぁ、それは『もしも』の話ですけど、わかる気がするなぁ」


 ちゃんと集めたメンバーがそれぞれの仕事をしてくれて、なおかつちゃんと完成までもっていってもこういうトラブルが生じることもあるんだ。

 これも、広く「メンバー間のトラブル」ってことなんだろうけど、「メンバーが決まらない!」というようなタイプのそれとは、ちょっと違うよね。

 こういう創作にまつわるトラブルっていうのは、本当に色々あって、盗作の問題、交流の強要とかトピックもたくさん残ってるんだ。

 というわけで、次回も、ちょっとそうしたトラブルの話を書いてみようかな!



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(つづく)




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    RPGツクールでゲーム制作をされておられる、フリゲ業界のどじっこ!文体がとても女子な ayatam さんにコラムを書いて頂きました(*゚∀゚)=3

    ・ゲームを作るきっかけ
    ・シナリォの書き方・考ぇ方
    ・スプリングナイトと姫での例
    ・これまでに作ってきて、気をつける様になった事

  • 戯匠Works 無銘774

    男性向けなような、女性向けなような、誰が得するのか良く分からないゲームを懇々と作っております。

  • RED HOSTILITY 蔵野杖人

    R-18GマルチバッドエンドサスペンスADVとか短編サスペンスノベルとか、とにかく人が死んだり、死ぬよりひどい目にあったりするゲームを作っています。

  • Ray [rei] さよのすけ

    同人制作サークル「Ray」のさよのすけと申します。主にアドベンチャーゲームの企画・シナリオを担当しています。

  • Lemon slice 神鏡学斗

    もっぱらRPGツクールシリーズでシミュレーションRPGを制作しています。子供のころからゲーム制作をしていて、制作歴は10年ちょっとくらいでしょうか。ただ、プロのシナリオライターというわけでもなく、ゲーム関係の仕事をしているわけでもありません。なので、ゲーム制作は完全なる趣味です(笑

  • FooL Key

    FooLというブランド名で主にRPGツクールでRPGを製作、公開しています。ゲームを製作する上で何か学んだわけでもなく、完成させた作品に満足をした事もありません。初心者の方向けの文章ですが、読み物の一つとして見て頂ければ幸いです。

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    岡崎さんは漫画家兼イラストレーターさんです。趣味で漫画を描いたりゲームの作ったりされておられます。

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    主に軍事系のRPGやSLGそしてバカゲーを作っている、日本戦争ゲーム開発の武藤FPです。シナリオライターというわけではありませんが、絵と音楽以外は自分で作るのでシナリオも書きます。自分なりのシナリオを書く手順について書かせて頂きます。

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