道玄斎さんのコラム 48:道玄斎のノベルゲーム漫遊記



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●第四十八回「デバッグシートは結構便利」

 今回は、おバカで笑える話にしようかな……と思ったんだけど、ちょいと真面目(?)な話にしてみよう。

 今日のテーマはデバッグ。
 それも、デバッグシートを使ったデバッグについてだよ。




■以前にこういうことが

 以前、ゲーム制作をしている人から、「デバッグをお願いしたんだけど、WordありExcelあり、スクリーンショットに直接文字を書きこんだものあり、テキストファイルありと色んな形式で、指摘が送られてきて大変だった」なんて話を聞いたんだ。

 そういうときは、こちらがデバッグシートを作って、それに書いてもらう、あるいは、それに準じた書きかたにしてもらうと、負担は一気に軽減するよ。

 私も、何度もデバッグのお手伝いをしたこともあるし、「こういうデバッグシートだと修正作業がやりやすい」ってのも聞いたことがあるから、今日はそういう話をしてみよう。

 まず、そもそもの話なんだけど、やっぱり「デバッグ」はやってもらったほうがいいんだよね。
 自分じゃ気づかない間違い、問題なんかは必ずあるもの。誤字脱字がなくなるだけでも作品はグッと引き締まるし、なるべく完成度の高いものを作りたい、ってみんな思ってるはずだからね。

 けど……こういう話をすると「どこでどうやってデバッグを依頼したらわからない」って意見が必ず出るんだ。
 ツイッターをやっているなら、そういうところで募集をかけてもいいし、あるいは、ふりーむに、そうした「求人募集」の掲示板があるから、そこで募集をかけても結構デバッガーさんは集まるんだ。


  ふりーむ「テストプレイヤー募集」


 もちろん、ちゃんとした募集要項を書いておくことは大切なんだけどもね。
 そうだなぁ……


  ・作品名

  ・ジャンル

  ・作品の概要や簡単な説明

  ・作品全体の分量

  ・リリース予定日

  ・デバッグの期間(締め切り)

  ・デバッグの概要など

  ・募集人数

  ・謝礼の有無

  ・連絡先(サークルURLとか、メールアドレスとか)


 このくらいは書いておくといいかな。
 自分が「デバッグを引き受けるデバッガーになったつもり」で、要項を確認しておくとミスがないと思う。


「期間が書いてないな……下手すりゃ3か月くらいつき合わされるかも。この企画に応募するのはやめとこう」


 なんてこともあり得るからね。
 項目を挙げてみると、それなりに多いように思えるけど、ミスマッチを防ぐ意味でもこのくらいはしっかり書いておくといいかな。

 ツイッターを使っての募集も基本的に同じ。
 デバッガー募集という形でツイートすればいいんだけど、こうした要項を書いたページへのリンクを載せておかないと、ぼんやりした募集になっちゃうので、そこは注意したいところだよ。




■このくらいあれば十分?

 そして、デバッガーさんが決まったら、「デバッグシート」を渡してやればいいんだ。
 「これにそってデバッグしてね」と、こっちから宣言しちゃうんだよ。

 そうすれば、フォーマットがバラバラなデバッグ結果が戻ってくる、ということは少なくなるし、結果、修正作業の負担が軽減されるんだ。
 方針が決まってるから、デバッガーさんとしても、これは作業がしやすいんだよね。

 さて、肝心のデバッグシートなんだけど、ExcelやLibreOfficeのCalcを使って作るのが一番簡単で、わかりやすいかな?
 色んな項目があるし、ネット上ではすごい緻密なデバッグシートの見本みたいのも出回ってるんだけど、「必要最低限」でもいいんじゃないかな?

 たとえば、私が今作ったものなんだけど、このくらいでもノベルゲームであれば、十分なんじゃない?



(↑の画像をクリックすると大きくなります)


 「どこで」「どんな問題が発生してるのか」がわかれば、基本いいわけだからね。
 上のサンプルでは( )に入れたものは「あってもなくても」って感じのものかな。あったほうがわかりやすいかも。けど、いらないや、って思えるならそれはそれでいいんだ。

 「作業者用項目」と「制作者用項目」と、二分してあるんだけど、これもいってしまえば、どうでもいいのかもね。

 作る作品の規模や要求にしたがって、項目を増やしたり、シートごとに項目をわけたり、あるいは、もっとすごいシートを作ってももちろんいい。

 そういえば、区分けとか、修正したかどうか、あるいは重要度を「セルの色」でわける人もいて、あれは見やすくてとってもよかったなぁ。

 ともあれ、基本としてはこのくらいあれば、数時間程度の作品なら、十分対応できそうな気もするし、私もこのタイプのものを使って作業していることも多いんだ。

 「たくさん分岐がある作品」だと、また一工夫必要だけど、今回は基本ってことで、そこは思い切って割愛してしまおう。




■最近は便利なものも……

 デバッグシートを渡してデバッグしてもらう、っていうと、たとえば、3人のデバッガーさんがいたら、それぞれにデバッグシートを渡して……というのをイメージすると思うんだけど、最近では、「ウェブ上」でこうしたシートを共有できるサービスもあるんだ。

 Googleのスプレッドシートってヤツなんだけどね。

 こういうサービスなら「作業者」みたいな項目も活きてくるよね。
 ちなみに、このスプレッドシート、かなり便利だって話は聞いたことがあるんだけど、私はまだ使ったことがないんだ。

 「スプレッドシート最高だぜ!」ってかたがいらしたら、是非その魅力を教えてください。けど、今後はこういうサービスを使う人も多くなるんだろうなぁ、って予想はつきそうだよね。




■個人的にあったほうがいいと思うもの

 というわけで、このデバッグ/デバッグシートの話題も、そろそろ佳境に入ってきたんだけど、私が個人的に「これはあったほうがいいな」って項目もあるから、それを説明してみようかな。

 上記サンプルでももちろん入れてるんだけど、それは「作者コメント」と「修正の実行」なんだ。

 デバッグって、デバッガーさんからすれば、「問題点を見つけ、可能なら修正案を出す」ってところに重点があるわけだけど、作者側からすれば、「指摘があった問題点を検討・修正する」ってのが重要なんだよ。

 当たり前のことなんだけど、「修正したかどうか」ってのはかなり大事な要素だと思うんだよね。だから「やったかやってないのか」がすぐにわかるようにしておく、ってのは意外とメリットがあるんだ。
 これは素材管理なんかでもそうだよね。「実際に使ったかどうか」ってのを記しておけば、クレジットの記載ミスを防げるんだよ。

 一方で「作者コメント」なんだけど、デバッガーさんは完成された作品をプレイして、「ああ、ちゃんと修正されてる。よかったよかった」なんて思ったりする。

 けど、「あれ? ここは指摘したはずなのに、修正されてない!」なんて場所を発見しちゃうと、ちょっぴり悲しくなったりもするわけで、そこに対するフォローが「作者コメント」ってわけ。

 「ご指摘の点は、○○という方針でやっているので、ここはそのままで」と、ちゃんと説明してあげれば、普通納得してくれるもんね。
 なので、作業が終わった段階で、デバッグシートをコメントつきで送り返してあげたほうが親切だし、お互いに納得感があると思うんだ(スプレッドシートはこういうとき便利かもなぁ)。そういうわけで、私なんかは、これは「あったほうがいい」と思えるんだよ。

 そうそう、デバッガーさんから、色んな指摘があっても、「最終決定は制作者にある」ってことはいっておかないとね。
 特にノベルゲームの場合は「文章のニュアンス」とか、そういう部分が問題になることも多いからねぇ。
 だから、自分の指摘箇所が修正されてない、ってことがあっても、デバッガーさんは怒らない、そして制作者さんも、デバッガーさんの指摘をありがたく思いつつも、それに過度に振り回されない(明らかにおかしい場所とかは別だよ?)ってのも大事なことだと思うんだ。




■冴えてるアイデア

 ところで、以前、私がもっと漠然とデバッグをやっていたころ、とあるサークルさんからデバッグの依頼がきたんだ。

 面白そうな作品だったし、なにより自分をご指名してくれたのが嬉しいじゃないか。
 二つ返事でお引き受けして、デバッグ作業をお手伝いしたんだよ。

 この場合、デバッグというよりは、実はテストプレイのようなものに比重があって、作品そのものは「もう、これで大体OK」って状態にしてあったから、作業自体はとても楽だったなぁ。

 それでも、「ここは○○のほうがいいんじゃないか?」とか、数ヶ所誤字があったりしたので、やっぱりデバッグって大事だよねぇ、って思ったりもしたよ。

 当然、サークルのほうも、複数人にデバッグ(テストプレイ)をお願いしていて、そうした修正案を取り入れ、無事にゲームがリリースされたんだけど……。

 完成品が出回り、私もそれをダウンロードしてプレイしたんだよね。
 やっぱり、自分が指摘した修正箇所とか気になったからね。

 でも……新たな修正箇所に私は気づいてしまったんだ!
 しかも、それが結構クリティカルな部分で、作品の意味合いが変わりかねないようなミスだったんだよ。具体的にいえば「英語のつづりのミス」だったんだけどもね。


「これは、やっぱりデバッグ期間が過ぎたけど、一報いれたほうがいいよねぇ」


 って思ったから、その旨メールでお伝えしたんだ。
 結果……修正パッチがリリースされたんだけど、「その誤字によって生じた別の意味」を上手く利用したミニゲームもくっつけて、公式が「ネタ」にしちゃったんだな。

 これは、すごい上手い冴えたやりかただなー、って思ったよ。
 もし、デバッグで見つからない問題が出てきたとしても(デバッガーとしては失態だけど)、そうやって対処することだって出来るんだよね。



 さて、今日のお話しはこれでおしまい。
 たぶん、経験あるゲーム制作者さんからすれば、このデバッグ/デバッグシートの問題はお馴染みだと思うし、それぞれ一家言あると思うんだ。

 「こういう項目も入れないとダメじゃないか!」とか「俺はこうしてるぜ!」ってのがあったら、是非教えてくださいね。


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(つづく)




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