道玄斎さんのコラム 10:イラストがない作品をどう考えるか



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●第十回「イラストがない作品をどう考えるか」

道玄斎です、こんばんは。
今回は、「ノベルゲームのイラストをどう考えるか」という話題です。
最近、このコラム連載にあわせてツイッターを始めてみたのですが、ノベルゲームに関わる示唆が多くて、なかなか楽しいものです。
今回の話題も、ツイッターで盛り上がっていたネタをベースにしています。




■イラストについてのさまざまな立場

ノベルゲームにおいて、立ち絵、或いは一枚絵(スチル)がない作品はたまに目にします。
しかし、一方で、そうした作品への言及が少ないというのもまた事実なのです。
ツイッターを見てみると、


・立ち絵やスチルをつけるかつけないか、作者さんの判断であって、好きにすればいい


という意見が目立ちました。
また、


・イラストがないのなら、小説でいいのでは?


というものもありました。
まずは順番に考えていきましょう。


「イラストの有無は作者さんの自由」という意見、
これは全く非の打ち所もないほど正論です。

しかし、私が気にしてしまうのは、「その作者さんも、イラストがつけられるならつけたいって人も多いんじゃないかな?」という部分だったりします。
作者さん自身に絵が描けない場合、「イラストをつけない作品」にするか、あるいは「イラストを外注する」という形になってしまいます。

けど、結構、イラストを外注するってハードルが高いですよ。
まず、自作品のイメージに合う絵師さんを探す。さらにその絵師さんに作品のイラストをお願いする。さらにさらに、書いて貰ったら相応のお礼をする。

と、色々なフェーズがあるわけです。
また、その場合、絵師さんとの共同作業になってしまいますから、「自分のペースでお金をかけず気楽にやりたい」、そう考える作者さんだって当然います。

ですので、早い内から、イラストをつけること、そして絵師さんを探すことを諦めてしまう、というケースもありそうです。

また、丹下さんの連載コラム でもあったように、せっかく絵師さんが見つかっても、逃亡されてしまうことも……。


「イラストがないのなら小説でいいのでは?」という意見ですが、
その意見を発したかたに質問してみました。

「じゃあ、君は個人のサイトに掲載されてる小説って読んだことある?」ってね。
答えはもちろんNO。ただの小説、というより「ゲーム」というくくりでリリースされたもののほうが、やはり手にとってもらいやすくなるのも、また事実でしょう。少なくとも、ゲーム紹介サイトに作品を掲載出来るわけですし!

それに、「イラストがない=小説」というのは、少し短絡的かもしれません。
基本、ノベルゲームは、「サウンドノベル」とも呼ばれるわけですから、サウンド、つまり場面を盛り上げる音がついている、というのも大きな特徴です。

小説とノベルゲームのシナリオでは、微妙に異なる部分もありますしね。
例えば、ノベルゲームでしたら、背景を変えてしまえば、「別の場所に移動した」とか、「次の日になった」ということが視覚的に分かりますから、最小限の説明で十分なのです。
一方、小説ではそこをキチンと書かないと、読者に伝わりません。「一夜明けて……」とか、「図書館に行ってみると……」なんて調子で。

ちなみに、「一本道のノベルゲームを“ゲーム”と認めるのかどうか」という問題は、不毛なので、ここでは論じません。




■イラストがないことの問題点

イラストがついていない作品の問題点とはなんでしょう?
私なら、こう答えます。


「そもそも作品を手にとってもらえなくなる」


これに尽きるんじゃないかと思っています。
ゲームの制作者は、ほとんど誰でも、「多くの人にプレイしてもらいたい」と思っています。「おらぁ、作りたいものを作る。作ったものに反応があろうとなかろうと、それは関係ねぇ」と言える人はきっと、極々少ないと思うのです。

絵がついていると、ゲーム紹介サイトでも、目に止まりやすくなりますし、可愛い絵(もしくはカッコいい絵)がついていれば、それだけで訴求力があるのです。

詳しく調べたことがないので、ちょっと曖昧なのですが、同じシナリオの作品があったとして、絵がついている場合、絵がついていない場合ですと、ダウンロード数に5?10倍程度の違いは出るんじゃないかな、と思います。

もちろん、絵の好みの問題とか、色々な要素はありますから、これは非常にザックリとした私の感覚的なものです。




■そうは言っても……

じゃあ、イラストのない作品には全く感想もなく、惨めな思いをするのか? と問われれば、「それは違うぞ!」と言いたいのです。
私自身がゲームを作った時、先に書いたように絵師さんのアテがなかったので(今でも募集してます!)、「イラストなし」を選択したのです。

加えて、テーマも地味……というか、割とありふれたものの変奏でしたし、言ってしまえば、「ウケない」だろうな、と思っていたのです。
けど、どうしても、その時はそれが書きたくて書きたくて仕方なかったんですよね……。

しかし、フタをあけてみれば、ダウンロード数こそそんなに伸びなかったのですが、感想のメールをたくさん頂いてしまったり(その多くが制作者さんでした)、レビューをしてくれたサイト(いわゆるレビューサイト)も複数ありました。

今、読み返すと、非常につたないもので、読み返して赤面してしまうレベルではあるのですが、その時、「出来る力の中で丁寧に作ろう」と頑張ったのは本当です。

ですので、「頑張りっていうのは、やっぱり伝わるもんだなぁ」と、なんか小学校の道徳の教科書みたいなことを思った記憶があります。


確かに、イラストがついていないと訴求力は弱い。それは事実だと思います。
けれども、丁寧に作ろうとしたもの、頑張って作ったものというのは、受け手にも伝わるんじゃないかな? とも、私は思うのです。




■レビューサイトの課題

私の作ったつたない作品に、多くの感想メールがきた、というのは、おそらくレビューサイトのおかげでしょう。

そう、レビューサイトは、「イラストに惑わされず、面白い作品を取り上げる」(と、書くと、まるで自分の作品が面白いと自画自賛してるみたいですが、その意図はありません)という活動をしている人が多いですから、「イラストがない作品」を知るきっかけの一つとして機能しているんだと思います。

以前、「レビューサイトは、ダウンロード数などでお役に立てない」ということも書いたのですが、「イラストがない作品」ですと、それなりに効果もあるのです。

ですので、私も、今後もイラストのない、ある意味で硬派な作品にも、キチンと目配りをして「隠れた名作」をご紹介出来れば……と思っています。


※今回でこのコラムも十回を数えるまでになりました。
ひとえに、機会を与えて下さった無料ゲーム.com様、そして読者の皆様のおかげです。
さて、十回という区切りの良い数ですので、次回(つまり十一回目)からは、またちょっとテイストを変えてみようかな、と思っております。
それにもお付き合い頂ければ幸いでございます。

(つづく)

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