道玄斎さんのコラム 45:道玄斎のノベルゲーム漫遊記



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●第四十五回「本格志向の落とし穴」

 間が空いてしまったとはいえ、コラムも一度書き出すと、結構書けるもんでね。
 毎回10KBくらい書いているんだけど、シナリオじゃないし、私自身楽しみながら書いているもんだから、今日もちょっと書いてみようかな。




■トラブルは次回

「さ、今回はどんなトラブルの話をしてくれるんです?」


 そんなお気楽なことを言うのは、毎度おなじみのS君なんだ。
 前回のコラムで、ちょいとゲーム制作にまつわるトラブルを書いてみたし、その手のネタのストックもたくさんあるから、もうちょっと続けようと思ってるってのは事実なんだけどもね。


「うん、トラブルばっかり書いてると、俺の気も滅入ってくるから、今日はちょっと趣向を変えて、バカ話でもしてみようかなって思ってるんだ」

「え? いつもバカ話な気がするけどなぁ」

「余計なお世話だよ!」

「トラブルの話はまたしてくれるんですよね?」

「ああ、そのつもりだよ」

「それならいいですよ。どうぞバカ話をしてくださいな」


 というわけで、今回のバカ話が始まるんだな。
 今までもコラムで「リアリティ」とかそういう話ってしてきたと思うんだけど、今回もそれと通じてるような、そんなヘンテコな話なんだ。

 ノベルゲームに限らず、だけど、「ミリタリー」って結構色々なところで見かけるテーマなんだよね。
 映画でもたくさんあるよね。ノベルゲームの場合、近年ミリタリー色が比較的濃厚なのは、なすびあんさんの 『MYTHOS』 かな。


「あっ、あの 『電波電波カプリッチョ!』 のサークルですか?」

「そうだよ」

「“FreePay形式”っていうちょっと面白い形態のゲームなんですよね」

「まぁ、カンパウェアって言いかたが昔からあって、それとほぼ同じなんだけど、なかなかいいよね。なんか応援したくなるっていうか」

「わかります! 最近はやりの変なカンパサイトとかだと、興ざめしちゃうことがありますから……」

「おっと、そういう話は次回だ。今回はミリタリーのお話なんだよ」




■機能を検証、ミリタリー

 というわけで、自分の作品にミリタリーのテイストを入れようとする人っていうのもいて、当然、そういう人は「ミリタリー」に一家言あるマニアなんだよ。

 ご存じの通り、ミリタリーは銃の種類、弾丸の種類、戦闘服(迷彩服)の種類……なんて大量の情報が必要になるんだ。
 だから、必然的に、そういう作品を作る人は、けっこううるさ型になっちゃうんだ。
 「実践ではこれは使えない!」とか、平気で言っちゃったりするんだよ。もちろん、御本尊も実践経験なんて皆無なんだけどもね。

 ところで、銃は手に入れられないけれども、戦闘服やヘルメット、あとナイフ類なんかは実物を入手出来るってのは知ってるかな?

 軍装関係は、上野・御徒町あたりにいくと専門店がいくつかあるから、そういうところにいけば、アメリカ軍のものなら、比較的簡単に実物装備を揃えられるんだ。


「いやに詳しいですね……。道玄斎さんも、やっぱり『実践では使えない!』とか言っちゃう派ですか?」

「出来たら、実践なんて経験したくないなぁ……。俺はほら、アウトドアとか好きだからさ、そういうサープラス品(軍の放出品)を使うこともあるんだよ」

「へー……意外ですね。完全にインドア系だと思ってました」

「よく言われるよ。けど、外に出るのは気持ちいし、悪くないもんなんだよ。で、サープラス品は、安くて高性能なものが多いんだ」

「軍で使ってるものですもんね」

「俺が持ってるアノラックは、完全防水でメインポケットはジッパー開閉により、確実にものを収納しておくことが可能。でもって、ベンチレーション(換気)用のちいさなジッパーもついてる。さらにフードをかぶってヒモでしばっても、視界が確保されるような設計になってるな」

「それは高性能ですね……。で、おいくらなんです?」

「えっと、確か……2,800円だったかな」

「安っ!!! 新品で、ですか?」

「うん、そうなんだよ」


 まぁ、そのアノラックは型落ち品だったから、っていうのもあるんだけどね。
 幸いにして、そのアノラックは迷彩柄じゃなくてアーミーグリーンだから、悪目立ちすることなく、アウトドアで使うことが出来るんだ。

 実際にアウトドアで使うと、こういうミリタリー製品が本当に機能的だってのもわかってくる。

 アノラックやパーカー、戦闘服や帽子といった衣料関係は入手しやすいし、その機能を検証したりも出来るんだ。
 やっぱり、こういうのは実際に使ってなんぼ、だからね。




■そして毎度のヘンテコ話に

 で、ミリタリー系……というほどでもないんだけど、ミリタリーの要素もちょっと入ってる作品を作ろうとしていたサークルがここで出てくるんだよ。

 案の定、メンバーはミリタリーマニア。
 自分たちが使ってる軍装品を、作品中で美少女に着せたりしてるんだ。


「やっぱり、フレックタン迷彩だよな〜! 意外と日本の自然にもなじむし!」

「なーに言ってんの! 陸自3型に決まってるだろ! 日本の自然に特化した究極の迷彩だよ」

「2人とも変なこというなよ。今、時代はマルチカムだよ! どこに行っても迷彩効果を発揮するんだから、マルチカムが最強だろ!」


 なんて、まるでケンカしてるみたいだけど、本人たちは意外や意外、仲がいいんだ。
 だもんだから、ゲーム制作も順調そのもの。定例会議こそないけど、創作のエネルギーを補給するため、という名目でしょっちゅう、サープラス品のお店に遊びに行ったりしてたんだよね。

 で、やっぱりそこで問題がおこるんだな。


「お! なんか面白いのあるな!」

「ん? どれどれ……パラシュートの実物ぅ!?」

「レアアイテムだな! 値段は……さすがに高いな……」

「けどよ、こんなレアアイテム、いつ出てくるかわからねーぞ?」

「おい、お前らいくら手元にある?」

「えっと、俺は15,000円くらいかな」

「俺もそのくらい」

「よし、じゃあ、3人でこれを共同購入しよう!」

 普通、そんな事態になったら、「いやだよ!」で一蹴されちゃうもんなんだけど、ミリタリーマニアは違うんだな。


「それいいじゃん!」

「お前もなかなかいいアイデア出すなー!」


 なんて具合に、なんと即決!
 おのおのお金を出し合って、どっかの軍の払い下げのパラシュートを購入したんだ。

 こうなれば、あとはやることは決まってる。
 そう、作中でパラシュートによる「降下シーン」を描くんだ!

 それもまた、こいつらにかかればお手のもんでね。
 上手くエピソードのつなぎとして、降下訓練シーンをねじ込んじゃったんだよ。

 けど、お察しのとおり、彼らはミリタリーマニアではあるんだけど、誰もパラシュートを使っての降下訓練なんてやったことはないんだ。


「俺たち、ミリタリー好きだろ?」

「ああ」

「だから、お気に入りの戦闘服着せたりしてるんじゃん」

「だよなぁ……。つまりミリタリーの分野に関しては、ちょっとこだわりたいんだよな」

「なーにをいまさら!」

「む……まさか……」


 若干名、鋭いヤツが彼の意図に気づいたんだけど、もう遅かったんだ。


「ああ、実はさ、俺、このパラシュート使ってみようと思ってるんだ」

「えー!」

「やっぱり……。お前、実践派だもんなぁ」

「ここで俺がパラシュートを使うとどうなる? そう、リアリティのある降下シーンが描ける! ついでにサークルのブログで本当にパラシュート降下したって書いておけば話題になるかもしれん」

「たしかに……」


 えー、ここで「たしかに」って思っちゃうのかなぁ?
 まぁ、とにかく、彼らはパラシュートを「実使用」することに決めたんだよ。
 当然、飛行機からの降下、なんて出来ないから、「高いところから飛び降りる」って原始的な方法を使うことにしたんだけどもね。

 彼らのうちの一人が通う大学に、まさにおあつらえ向きの場所があったらしく、パラシュートを使っての「実践」はそこで行われることになったんだ。


 現場は、大体、建物でいったら3階くらいに相当する場所で、しかも手すりもない。
 つまり、簡単にそこから飛び降りられるってわけ。

 実際に降下(!)する人を上に残し、他のメンバーは下にたまっている大学生たちをどかせたんだ。ぶつかったりしたら大変だからね。


「おーい! 準備できたぞ〜! そっちはどうだ?」

「いつでも飛べるぞー!」

「おーし、じゃあ、守衛さんが来る前にちゃちゃっと飛んじまおうぜ!」

「わかった、いくぞ〜!」


 そうして、彼は勢いよく宙に飛び出し、すかさず、パラシュート散開装置を操作した……んだけども、そのままひゅーっと落下。

 骨折だけですんだのは、本当に奇跡みたいなもんだよね。
 いや、当たり前だって。パラシュートって最低でも300メートルくらい上空で使うんだぜ! そんな、10メートルそこそこの高さで使っても、パラシュートは散開しないんだ!




■疑問

「あれ、道玄斎さん、この話、変ですよ」

「え? なにが?」

「だって、この人たち、ミリタリーマニアだったんでしょ? パラシュートが3階くらいの高さで開かないってことは知ってるんじゃないんですか?」

「たしかにそうだなぁ……。けど、彼らはやっちゃったんだよねぇ。ともあれ、彼らもこれで勉強になったんじゃないかな。パラシュートは、そのくらいじゃ散開しない、ってね」

「なるほど……実践経験を得たってことですね……」


 というわけで今回のお話もこれでおしまいだよ。

 ところで、彼らの書いた「パラシュート降下」のシーンは、当たり障りのないものになったんだ。まぁ、それはしょうがないよね。

 でも、他のシーンでの「骨折」と「その治療」の描写は妙にリアリティがあったんだ!



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(つづく)




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    ・シナリォの書き方・考ぇ方
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    ・これまでに作ってきて、気をつける様になった事

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    男性向けなような、女性向けなような、誰が得するのか良く分からないゲームを懇々と作っております。

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    もっぱらRPGツクールシリーズでシミュレーションRPGを制作しています。子供のころからゲーム制作をしていて、制作歴は10年ちょっとくらいでしょうか。ただ、プロのシナリオライターというわけでもなく、ゲーム関係の仕事をしているわけでもありません。なので、ゲーム制作は完全なる趣味です(笑

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    FooLというブランド名で主にRPGツクールでRPGを製作、公開しています。ゲームを製作する上で何か学んだわけでもなく、完成させた作品に満足をした事もありません。初心者の方向けの文章ですが、読み物の一つとして見て頂ければ幸いです。

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